「FIBAバスケットボールワールドカップ2019 アジア地区 1次予選(Window3)」のチャイニーズ・タイペイ戦に臨む男子日本代表は7月1日、試合会場となる臺北和平籃球館(Heping Basketball GYMNASIUM)で前日練習を行った。
フリオ・ラマスヘッドコーチは、6月29日のオーストラリア戦での勝利を「我々自身のことを信じられるようになったというのがすごく見えた」と振り返り、ニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)、八村塁(ゴンザガ大学)という2人の新戦力が加入したことで、いい化学反応が生まれたという。
「チームとして得点オプションが増えたのはすごくいいことだが、メンタル面での影響も大きい。雰囲気や欲もそう。今まで課題となっていたミドルレンジからの得点源が増えたことで、他の選手たちが自信を持てて、安心感がある。自分に自信を持って、勝てるという意識を持つことができる」
また、2人が新加入にも関わらず早々に活躍できた理由は、「もともといた選手たちが彼らにプレーしやすいようにしてくれたこと」が要因だという。「できるだけのサポートをしてくれたし、その姿勢を見せてくれたことがすごくうれしかった。それはチームのために尽くしたいという気持ちがあるからこそできること。彼らもプロとして、塁のような1人の青年が日本人でありながらアメリカで活躍していることに対し、日本全体の夢があると気づいている。だからこそ彼らも彼をプロテクトしたり、サポートしてあげたいという気持ちがある」と続けた。
オーストラリア戦に続き、チャイニーズ・タイペイ戦も「チームの中ではすごくいいメッセージ性を与える選手」と評す篠山竜青(川崎)と田中大貴(アルバルク東京)の2人をキャプテンに据える。ラマスHCは「代表チームにどれだけ関わりたいか、貢献したいかがわかる。そういうところを私はすごく重要視していて、選手たちにも目に見えるようにいつも伝えている」と言及。さらに、勝てば1次予選突破の一戦に向けて「前回もその前もチャイニーズ・タイペイに負けている。オフェンスリバウンドを今まですごく取られたので、改善して、できれば9本以上は取られないように、という目標も掲げている。あとは相手の2-3と3-2のゾーンディフェンスに対してどう攻めていこうかということ」と語った。
登録メンバーの12人に入った宇都直輝(富山グラウジーズ)については「チャイニーズ・タイペイはガードとシューティングガードのポジション、ペリメーターでいいオプションの選手が何人かいます。オーストラリア戦ではビッグマンの層を厚くしたいという気持ちがあったが、そこのプランを少し修正した。あとは(富樫)勇樹(千葉ジェッツ)と竜青がオーストラリア戦に出たので、体力やコンディションが間に合うのかわからないと。それらをしっかり分析して決断に至りました」と説明した。
来日して約1年。ようやく自身のバスケットが日本代表に浸透してきたと確かな手応えを感じている指揮官は、オーストラリア戦勝利の勢いに乗り、 “日本一丸”でアジア地区1次予選の最終戦に臨む。