Bリーグ開幕に伴って注目度が増す男子バスケットボール界。2019年にはFIBAワールドカップ、翌2020年には東京オリンピックが控え、より一層の発展へ期待が高まるばかりだ。日本バスケットボール協会やBリーグは両大会、さらにその先を見据えて選手の強化に力を入れている。すでにアメリカの大学で活躍する渡邊雄太(ジョージ・ワシントン大学)や八村塁(ゴンザガ大学)、日本代表に名を連ねる馬場雄大(筑波大学)などが台頭しており、それに続く超逸材、さらに可能性を秘めた“原石”もまだまだいる。ここでは『バスケットボールキング』推薦のスター候補生を紹介する。第7回は東海大学2年の平岩玄。入学当初からスタメンとして活躍し、今年度は最年少で日本代表の重点強化選手に選出された。将来的にはパワーフォワードへの転向を見据える逸材の今後に注目だ。
絶品のフックシュートやスピンムーブを持っているわけではないし、ビックリするくらい大きいわけでも重いわけでもない。派手に吠えたり、ガッツポーズをしたりもしない。決して華やかな選手ではないが、どんな時も決して後ろに退かず、体を張ってアタックし続ける。それが平岩玄の強さであり、大きな魅力だ。
2012年の都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会(ジュニアオールスター)では最優秀選手賞に輝き、土浦日本大学高校(茨城県)を経て東海大学へ。年代別日本代表としてアジアや世界のバスケを経験したセンターは、1年次の春から名門チームのスタメンに抜てきされた。入部当時は85キロだった体重を、トレーニングと1日5食の食事で入学から半年足らずで100キロ台に乗せ、現在は103キロ。以前から苦でなかったという接触プレーに「むしろやってやるという感じ」とますますの自信を持つようになり、今年度は最年少で日本代表の重点強化選手に選出された。
留学生の台頭に伴ってか、トップレベルで活躍する和製ビッグマンが徐々に少なくなってきている印象がある。そんな中で気を吐く平岩も、198センチというサイズでセンターであり続けることは難しいと自覚し、将来的にはパワーフォワードへの転向を見据えている。
「東海の4番(パワーフォワード)はプレーメーカー。今やっている仕事を100パーセント遂行しつつ、攻める、攻めないの判断や外のシュートなど、4番で求められるいろいろなことに挑戦していきたいです。でも焦ってはいません。一つひとつやっていきます」
高校時代の成績はオール5。東海大の有望選手ではごく珍しい政治経済学部に所属し、熱心に経営学を学ぶ。一番の目標はプロ選手になることだが、高校の先輩にあたる岡田優介(京都ハンナリーズ)のようにプロ選手と公認会計士の“二足のわらじ”も視野に入れているという。
「プロ選手として、ただ競技をするだけでなく、自分の取り巻く環境を多面的に見なければならない時代になっています。公認会計士は数字のスペシャリスト。そのような感覚を持った選手がいてもいいのかなと。バスケットと同じように興味があるものはとことん突き詰めたいんです」
明晰な頭脳と恵まれた体格、そして気持ちと意志の強さ。これにさらなる技術力が加わった平岩を見られる日が今から楽しみだ。
文・写真=青木美帆
(https://basketballking.jp/news/japan/highschool/20170510/13170.html)
No.002 保泉遼(船橋市立船橋高校3年)
(https://basketballking.jp/news/japan/highschool/20170517/13727.html)
No.003 松崎裕樹(福岡第一高校2年)
(https://basketballking.jp/news/japan/highschool/20170524/14262.html)
No.004 東野恒紀(厚木東高校3年)
(https://basketballking.jp/news/japan/highschool/20170531/14843.html)
No.005 高原晟也(土浦日本大学高校3年)
(https://basketballking.jp/news/japan/highschool/20170607/15567.html)
No.006 常田耕平(正智深谷高校3年)
(https://basketballking.jp/news/japan/highschool/20170614/16207.html)