3月2日に行われた三菱電機 コアラーズとの第20回Wリーグプレーオフのファイナル第1戦、マッチアップした相手エースの渡邉亜弥を激しいディフェンスで7得点に抑えたJX-ENEOSサンフラワーズの岡本彩也花。翌日の第2戦では自らが積極的にシュートを放ち、渡嘉敷来夢と並ぶチーム最多の24得点と、MVP級の働きを見せた。
「相手もそうですが、自分たちもタフな動きをしているので、後半になってくると、どうしてもみんな疲れてしまうんです。でも、そういう時にこそ、私がドライブに行ってシュートを決めたり、仕掛けてからのパスをしたりしようと意識していました」と岡本。また、この2連戦は、それまでとは違い「今までのファイナルは緊張で思うようにプレーができなかったことが多かったけれど、今回は経験もあってか、緊張はしたけれど、落ち着いてプレーできたと思います」とも語った。
プレーオフではデンソー アイリスとのセミファイナルでも2試合ともに2ケタ得点。セミファイナル、ファイナルを合わせて、相手の戦意をくじくような場面での得点が光った。
「宮澤(夕貴)や渡嘉敷をはじめ、周りに頼りすぎていたということを自分の中で感じていて。宮澤が3ポイントシュートを止められた時などに私が点を取らないと、それがチームの穴になってしまう。そうならないためにも3ポイントシュートやドライブに行くことは常に考えていました」
桜花学園高校から渡嘉敷とともにJX-ENEOSに入団して9シーズン目。自身で課題としているのはフィジカル面で、特にドライブからのフィニッシュでは、相手の当たりにシュートを落としてしまうことがあるという。そのため、日頃から渡嘉敷とともにドライブからのシュートを決めきる練習、さらにシューティングも重ねてきた。その積み重ねが「緊張の中でも自信はありました。シューティングもしてきたので」という気持ちを作ったのだろう。加えて、「(渡嘉敷が)『常にシュートを狙っていいよ』と言ってくれることも心の支えになりました。リバウンドも取ってくれるし」という相棒の存在も大きかった。
「全力を出しきって終われればいいなと思っていましたが、本当に今日(第2戦)は全部出せたと思います」と言うように、大舞台でしっかりと仕事をこなす姿は、ベテランの域に足を踏み入れた感じも受ける。
11連覇の喜びにも「まだまだ課題はあります。それはいつになってもクリアできないと思うし、満足することは絶対にないと思うけれど、上を目指してがんばりたいです」と語ったその表情は、実に頼もしかった。
文=田島早苗