「FIBA U19 女子ワールドカップ2019」の5‐8位決定戦。カナダと対戦し惜しくも3点差で敗れた日本は大会最終日、7位決定戦をマリと戦うこととなった。
最後に勝って終わるために。ここでは最終戦でもカギを握るであろうシックスマン2人を挙げたい。
一人は石牧葵。大会初戦となった予選ラウンドのドイツ戦から好パフォーマンスを発揮する石牧は、「良くつないでくれるし、ディフェンスで安定しているから助かっています」と萩原ヘッドコーチも信頼を置く存在。献身的なディフェンスでチームの再三に渡るピンチを救ってきた。165㎝と決して高くはないが、接触をいとわない、体の強さもウリだ。
「ベンチにいる時は“いつでも流れを変えてやる”ぐらい気持ちでいます。その分、スタートの選手に思い切ってプレーしてもらえるようにということをシックススマンとして考えています」と、石牧。昨年の「FIBA U18 女子アジア選手権大会」にも出場したが、その時は「試合に出てもなかなか貢献できなかった」という反省があり、今大会に向けてはディフェンスとリバウンドを主に頑張ってきたという。さらには、「スタートの選手たちはプレータイムも長いので、(一緒に出た時は)ディフェンスで助けてあげられるように意識しています。そういう面では少しはチームに貢献できるようになったかなと思います」とも語る。
5‐8位決定戦のカナダとの一戦に敗れて「…とにかく悔しいです」と、言葉を振り絞っが、それでも最後は、「試合に出た時は思い切ってプレーして最後は笑って終われるようにしたいです」と、力強く語って会場を後にしていた。
もう一人、ポイントガードのバックアップとして躍動しているのが池田だ。カナダ戦でも「日本の強みはブレイクなどのスピードだと思うので、ガードとしてオフェンスの展開を速くすると意識して試合に入りました」というように、スピードに乗ったドリブルやパスから速い攻撃を演出。隙あらば自らも相手ディフェンスの足元をえぐるようなドライブからシュートや3Pシュートを積極的に放っていった。
「スタートで出ても途中から出てもやることは変わらないので、ブレることはないです」と言い切る池田。
「小さいなりの戦い方をぜひこういうところで発揮してほしい」という萩原HCの思いにも応え、158センチのガードは日に日にその存在は大きくしていった。
「小さいからこそできることはあるだろうし、いろんなカテゴリーの小さい選手たちに勇気を与えられるように自分が先陣を切って、こういう舞台でもやれるんだということを証明できればいいなと思っています」と、池田。
池田も石牧同様に敗戦には肩を落とすものの、「泣いても笑っても最後になるので、日本代表として選ばれたという責任をしっかり持って。日本らしいバスケットをするためにも、自分ができる事を精一杯、チームのために頑張りたいと思います」と、意気込んでいた。
文・写真=田島早苗