2019.07.24

U19女子W杯予選第3戦に勝利。「私のできることを精一杯やろう」とこれまでの悔しさを爆発させた竹原レイラ

コロンビアとの一戦で竹原レイラはチーム最多の14得点を挙げた [写真]=田島早苗
フリーライター

 7月23日、「FIBA U19女子ワールドカップ2019」は予選ラウンド最終戦を迎え、日本はヨーロッパ1位のドイツを破ったコロンビアと対戦した。

 試合はサイズでアドバンテージを持つコロンビアがインサイドを中心に攻め、リードを奪った。日本は粘り強いディフェンスで離されずについていく展開となる。迎えた第4クォーター、疲れとファウルトラブルに見舞われたコロンビアが次第に戦意を失っていったのに対し、日本は最後までペースを落とさない展開で逆転に成功。最終スコア69-58で勝利するとともに、予選リーグ2位で決勝トーナメントにコマを進めた。日本は7月24日、グループC3位のハンガリーと対戦する。

悔しさを爆発させ、チーム最多の14得点をゲット

休息日を挟んで、竹原は気分を一新して試合に臨んだという [写真]=田島早苗

「最初の2戦は本当に何もできなくて不甲斐なくて…。年上なのに下に頼ってしまっていたところがあって本当に悔しかったです。一戦目も勝ったけれどウインターカップの決勝ぐらい悔しくて…。だから絶対に自分がやらないといけないと思っていたのに2戦目も空回りしていて…」

 コロンビアに勝利後、14得点6リバウンドを挙げた竹原レイラは、これまでのことをこう振り返った。

 予選ラウンドの初戦でヨーロッパ1位のドイツを破った日本だが、この試合、2得点に留まった竹原は、チームの勝利には素直に喜ぶものの、自身の出来には悔しさを抱いていた。2年前の大阪桐蔭高校3年次に(大阪府)ウインターカップで初優勝を遂げたものの、ダブルオーバータイムとなった決勝は7得点、再延長終盤にはファウルアウトをしてしまったことを引き合いに出しながら、竹原はその悔しさを表現した。

 だが、予選ラウンド3戦目となるコロンビア戦では「今日は思い切って、周りが作ってくれたところでシュートを決め切るとか、余計なことは考えずに言われたことを徹底しようと思っていました」と、奮起。

 特にディフェンスでは過去2試合のコロンビアの戦いぶりからチームの約束事として攻撃の要であるガードとフォワードの2人にはセンターのディフェンスもヘルプに回ることになっていたのだがが、試合序盤に197センチのセンターが大暴れしたことにより、「(警戒していた)ガードやフォワードの選手に多少やられたとしてもセンターはヘルプに行かないのでマイマンを守る」(萩原美樹子ヘッドコーチ)ことに変更。これに竹原も見事に対応し、「インサイドは自分が守らないと、リバウンドをやらせないようにしようと」(竹原)と体を張った。

 そしてオフェンスでは「ポストの1対1はどれだけステップを踏んでも後ろからブロックされてしまうので、合わせのシュートやドライブなどスピードを意識して、普段日本で私が小さい選手にやられていることをやるように」心がけながら14点を奪ったのだ。

 それまでの悔しい思いを爆発した竹原。実は彼女にとって前日の休息日が気持ちを引き締め直すいい機会となったようだ。
 
 というのも、前日は、主力は休息を取り、それまでプレータイムが少なかった選手がコンディション調整も兼ねて練習を行った。「今まではプレータイムが少ないことが無くて、休息日は休ませてもらっていました」という竹原も今回は練習に参加。だがこのことで「休息日の練習を初めて経験して、あまり試合に出られていない選手の気持ちが分かりました。私は少しでもプレータイムをもらっているのだから、その時間だけでもできることは精一杯やらないといけない、責任を持って、自分らしくやらないといけななと感じました」と言う。

 学年でいうと、石原柚香、大原咲織らとともに竹原は他の選手より1つ年上の代にあたる。明るい性格でコート外でもチームを盛り上げるリーダー。そんな竹原に火を付けたのは、いろんな立場ながらひたむきに試合に向かう仲間の姿勢だった――。

コロンビアのパワフルセンターに対して、体を張った守りで対抗した竹原 [写真]=田島早苗

文・写真=田島早苗

【試合結果】7月23日予選リーグD第3戦
日本 69-58 コロンビア (@タイ・ジャパニーズ・ユースアリーナⅠ)
JPN|13|16|16|24|=69
COL|20|13|12|13|=58

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