マカオでサマースーパー8開幕。日本から唯一参戦の福岡は中国の広州に初戦惜敗

チーム最多の17得点をあげた小林大祐[写真]=ASIA LEAGUE

前半は高さに苦しむも後半は互角の展開に

前半は広州の高さに苦しんだ福岡


 7月17日、「サマースーパー8」がマカオで開幕した。日本からは今シーズンB1入りを果たしたライジングゼファー福岡が参戦。中国、韓国、フィリピン、台湾リーグの各クラブと覇を競う。昨年は千葉ジェッツ琉球ゴールデンキングスが出場したこの大会。2年目となる今回はFIBA(国際バスケットボール連盟)の公認大会となり、7月に「サマースーパー8」、9月に「THE TERRIFIC 12」の2つのトーナメントを用意されている。前者は各チームともチーム作りを始める時期にあたり、若手の育成の場や開幕ロースターに残るためのトライアウトなど、それぞれのチーム事情により目的は少々違うという。

 第1戦、福岡の対戦相手は中国の広州ロングライオンズ。214センチを筆頭に2メートル越えの選手を4名擁する高さのあるチームだ。福岡のスターターは遥天翼山下泰弘小林大祐波多野和也加納誠也。序盤からマンツーとゾーンディフェンスディフェンスを併用して、インサイドにボールを入れないように仕掛けた。

 互いにシュートミスやターンオーバーなどでなかなかペースが作れなかった前半。その中で広州はオフェンスリバウンドを18本も獲得するなど、高さを利して試合を進めていこうとする。広州はインサイドにパスを入れようと試みるもコンビネーションが作れず、苦しいシュートとなるが、落ちたリバウンドを拾って得点。次第に点差を広げていった。対する福岡も広州のプレッシャーにミスが出て、なかなかセットを作れなかった。それでも控えの薦田拓也が2本の3ポイントを決めて追随。6点ビハインドで折り返した。

 後半、福岡は小林の連続得点で互角の展開に持ち込んだ。小林はマークが甘くなったところを突いて第3クォーターだけで12得点と気を吐く。さらに前半苦しんだリバウンドに関しても、波多野、遥がボックスアウトを徹底して、広州にセカンドチャンスを与えない。

 第4クォーターも一進一退の展開が続くが、外角からのシュートがリングを弾きだした福岡に対し、広州はドライブでリングにアタックを続けて確実に加点。次第にリードを広げていった。それでも福岡は残り時間を1分を切ったところから山下が連続得点と食らいつく。しかし、62-68で試合終了。福岡は初戦を落とした。

「チーム作りの貴重な大会にしたい」とHC、主将が共通認識

初めてのB1に向け「一戦一戦を大切に戦いたい」と語った山下泰弘[写真]=ASIA LEAGUE


 試合後、河合竜児ヘッドコーチは「急に出場が決まった大会なので、準備不足はあった」と苦しい台所事情を吐露。しかし、「チーム作りの大切な時期にこのような国際大会に出場できるのはありがたい。コンディション調整も大切だが、コンビネーションなどもしっかり作っていきたい」と前向きにとらえた。また、今日の広州戦に関しては、「最初は相手の高さに戸惑った面もあったが、波多野、加納などのインサイド陣が体を張って守ってくれた。リバウンドで24本(広州59本、福岡35本)の差がありながら、最後まで粘れたことは明日以降につなげたい」と一定の評価をチームに与えている。

 キャプテンで司令塔の山下は「福岡は大幅に選手が入れ替わり、なおかつ初めてB1で戦うということで、コミュニケーションやコンビネーションを構築していきたい」と今大会に出場することへの目的を口にした。さらに「これまでB3やB2では自分たちが高さのミスマッチを利用できたが、今日はどのポジションも相手の方が大きい状況となった。これもB1で戦うためには貴重な経験」と分析。「福岡は一言では言い切れないが、可能性のあるチームだと思う。プロとして、一バスケットボール選手として負けるのは嫌いなので、目標は優勝と言いたいところだが、そんなに甘くないとも思っている。だから1戦1戦を大切にプレーをしていきたいと思う」と、来るべく開幕への展望も語った。

 福岡は7月18日の大会2日目、韓国のソウル三星サンダースと対戦する。ティップオフは日本時間18時の予定だ。

文・写真=入江美紀雄

モバイルバージョンを終了