紆余曲折を経て、いよいよ開幕した「東京2020オリンピック競技大会」。男子バスケットボールは、絶対王者のアメリカが欧州の強豪フランスに敗れる波乱のスタートとなり、日本も“死のグループ”と言っても過言ではないグループCで真価が問われようとしている。
オリンピックは他競技も含め、世界のトップアスリートが集結する大会。特に、プロスポーツ選手は莫大な年俸や賞金、そこにスポンサーシップを加算した収入面がニュースになることも少なくない。
デュラントを筆頭にNBAから5選手がランクイン
さまざまな経済力番付で知られる『Forbes』は、東京オリンピックに参加するアスリートの収入ランキングを公開。各カテゴリーの一流選手たちが名を連ねるなか、NBA選手は上位9位のうち過半数を占める結果となった。
1位には、本大会でアメリカ代表のエースを務めるケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)が堂々のランクイン。NBA選手限定の高給取りランキングでも3位につける『@easymoneysniper』はそのSNSアカウント名のとおり、コート外でもマネースナイパーぶりを発揮。デュラントは、スポーツビジネスを多角的に切り取るメディアネットワーク『Boardroom』の共同創設者であるほか、MLS(メジャーリーグサッカー)のオーナーグループの一員にして、企業投資会社「Thirty Five Ventures」を経営するなど、自身のオフェンスオプションに匹敵するほどの豊富なビジネス展開で、その年収は7500万ドル(約82億7000万円)にもおよぶ。
KD、大坂なおみに次いで、オリンピックアスリートランキングの第3位に名を連ねたのは、デイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)。ブレイザーズのエースは、「アディダス」「ゲータレード」「Hulu」「2K Sports」など、多くの企業とスポンサー・コマーシャル契約を結んでいる。特に、2014年に締結された「アディダス」との契約は、10年1億ドル(約110億円)という法外なもの。また、Dame D.O.L.L.A名義でラッパーとしても精力的に活動しており、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)が主演を務める映画『スペース・プレイヤーズ』では、劇中とサウンドトラックの双方で出演を果たしている。
また、デビン・ブッカー(フェニックス・サンズ)が第6位、クリス・ミドルトン(ミルウォーキー・バックス)が第8位、ドリュー・ホリデー(ミルウォーキー・バックス)が第9位と、NBAファイナルで激闘を演じた選手たちも上位にランクイン。ブッカーは「ナイキ」との契約のほか、もはや二足の草鞋とも言えるゲーム業界より『Call of Duty』からスポンサードを獲得。一方、ミドルトンは「ナイキ」のほか、米大手電気通信「ベライゾン」、トレーディングカードでお馴染みの「パニーニ」、日本でも多くの生活必需品を展開している「ユニリーバ」から、ホリデーは「ナイキ」に「マイクロソフト」「パニーニ」、さらにはスポーツ栄養企業「モーメンタス」、回復を手助けするスポーツローション「Amp Human」などからそれぞれサポートを受けている。
さすがは、スポーツ業界最大のコマーシャル力を有するNBA。その計り知れない影響力は、ランキングにも如実に現れているようだ。
文=Meiji