12月21日(現地時間20日)、現地メディア『Sporting News』の中に、トレードを検討するチームについて書かれた記事があったので、その一部を紹介したい。
■オクラホマシティ・サンダー
サンダーは12月21日(同20日)終了時点でウエスト6位(16勝15敗)。プレーオフ圏内ではあるものの、昨季のシーズンMVP(ラッセル・ウェストブルック)とポール・ジョージ、カーメロ・アンソニーを加えた布陣で現状の成績はさすがにいただけない。この“ビッグ3”がフィットするべく、サンダーはこの2か月間、苦しんできた。ここからチームは上り調子になれば良いのだが、このまま連勝街道をひた走る保障はどこにもない。
そこでトレード候補に浮上しているのがジョージだ。ジョージとカーメロは今季終了後にプレーヤーオプションを行使すれば制限なしのフリーエージェント(FA)となることができるものの、来年3月末に34歳を迎えるカーメロよりも27歳のジョージを欲しがるチームが多いのでは、ということなのだろう。ジョージは「俺たちは“1年契約”の中にいるわけだから、現状は(思い描いていたものと)違うシナリオだと思う。でも俺はサンダーに全てを捧げるし、ギブアップしたりしない」と現地メディア『Bleacher Report』に語っていた。ジョージがトレードを望むことはないだろう。しかし、もしチーム状況が好転しないのであれば、トレードのオファーを聞き入れる可能性があることは否定できない。
■ロサンゼルス・クリッパーズ
今季終了後にプレーヤーオプションの権利を持つセンター、ディアンドレ・ジョーダンの去就が見えてこない。今季も先発センターとして平均11.1得点15.0リバウンドをマークしているが、トレードの憶測ばかりが飛び交っている。もしトレードが成立するならば、クリッパーズは喜んでジョーダンを手放すだろう。ミルウォーキー・バックスやクリーブランド・キャバリアーズなどが候補に挙がっているという。フリースロー成功率の低さ(キャリア平均で43.3パーセント)は頼りないものの、パワーとスピードを兼備したビッグマンで、リング付近のフィニッシュとディフェンス力は確かなもの。ジョーダンがトレード・デッドライン前に移籍する可能性は十分あると言えるだろう。
■デンバー・ナゲッツ
今季から加入したオールスターフォワード、ポール・ミルサップが11月中旬に左手首の負傷で戦線離脱してから、ナゲッツは7勝8敗と伸び悩んでいる。特にミルサップ離脱以降、ペイントエリアで平均49.1失点(リーグワースト3位)とディフェンス面で苦戦している。センターのニコラ・ヨキッチをサポートできる選手を欲しがるのは当然か。ミルサップは2月頃まで復帰できないという報道もあるため、トレードで補強する可能性は十分ある。このチームには将来有望な若手がおり、トレードの駒には困らないだろう。
■ミネソタ・ティンバーウルブズ
12月21日(同20日)終了時点で、ウエスト4位の19勝13敗と好成績を残しているが、ベンチの選手層が薄いことが懸念事項となっている。スターター5選手全員が平均30分以上プレーしており、特にディフェンス面が弱点となっている。チームとしては3ポイントシュート成功率がリーグ19位タイ(35.6パーセント)と低い。そのため、3ポイントシュートとディフェンスに優れた“3&D”タイプの選手の獲得を狙っているようだ。
■ミルウォーキー・バックス
今年2月に左膝を負傷し、現在も欠場中のジャバリ・パーカーが、来年2月に復帰できる見込みとなった。昨季平均20.1得点6.2リバウンドを挙げたパーカーが、ベンチから得点力をもたらすことができれば、バックスはさらに手ごわくなるだろう。ところが、ジェイソン・キッドHCはヤニス・アデトクンポを生かして結果を残せるのかと、プレッシャーを感じているという。バックスは来季、新しいアリーナがオープンする予定になっている。そこで今後タイトルコンテンダー(優勝候補)になるためならば、(既存戦力を入れ替えてでも)ビッグネーム獲得というギャンブルにトライする可能性を秘めている。
ちなみに、今季のトレード・デッドラインは2月9日午前5時(同8日午後3時/東部時間)。それまでまだ時間はあるものの、NBAではデッドラインに関係なくトレードが行われることも多々ある。
はたして、ジョージやジョーダン、パーカーらの去就はどうなるのか。そしてナゲッツやウルブズといったチームは今後トレードを実行するのか。今後の展開にも注目だ。