2017.12.12

勝率5割を下回る優勝候補サンダー、「この流れをストップしなきゃならない」とポール・ジョージ

黒星先行という現状から脱却したいと語るサンダーのジョージ[写真]=Getty Images
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 今季開幕前、オクラホマシティ・サンダーポール・ジョージカーメロ・アンソニーをトレードで獲得し、昨季シーズンMVPを獲得したラッセル・ウェストブルックとの強力なビッグ3の形成に成功した。そのため、ウエスト上位候補ではなく優勝候補と目されていた。

 ところが開幕以降、サンダーは連勝と連敗を繰り返し、なかなか波に乗り切れていない。12月12日(現地時間11日)のホーネッツ戦で11月16日(同15日)以来の勝率5割を目指すも、後半に64失点してしまい103-116で敗戦。現在サンダーは12勝14敗と苦しんでいる。

 この試合で20得点5リバウンドを挙げたジョージが現地メディア『ESPN』に「俺たちが持つタレントを考えれば、今いる場所(ウエスト9位)はふさわしくないのは明らかだ」と言うのも無理はない。「ほんの少し前、俺たちはやるべきことをしっかりやっていた。だからパニックモードになっているわけじゃないけど、お互いにもっとうまくプレーしていく必要がある。この流れをストップしなきゃならない」とジョージは続ける。

 52-52で迎えた第3クォーター。熱狂的なファンが声援を送るホームで、残り約6分にウェストブルックの強烈なダンクで66-66と追いつくも、そこから13連続失点を許し、ホーネッツに22-40と圧倒されてしまった。この苦境を乗り越えるにはどうすべきかと聞かれたリーダーのウェストブルックは「正直なところ、俺たち次第だ。何が悪いのかを理解しなきゃならないし、毎晩皆で同じやり方でプレーしなければならない」と話していた。

 ホーネッツ戦を終えて26試合を消化したサンダーは、オフェンシブ・レーティング(102.1)でリーグ25位と下位ながら、ディフェンシブ・レーティング(99.9)はボストン・セルティックスに次ぐリーグ2位という高水準をマークしている。だが、後半の入りとなる第3クォーターに関しては、相手チームが100ポゼッション(攻撃機会)当たり9.9得点も上回っている。

 それに「ラスト4、5分の間、俺たちは全く別のチームになってしまっている。48分間をとおして、同じ水準でプレーしなければならない」とジョージは言う。サンダーを指揮して3シーズン目となる指揮官のビリー・ドノバンは「このチームは昨季から約半数の選手が入れ替わっている。だから、彼らはどのようにしたら良い仕事ができるのか、どうすれば良好な関係とコミュニケーションを取ることができるのかを探していると思う。コート上でお互いをもっと知ろうとしているんだと思う」と語り、チームが未完成であることを強調した。

 とはいえ、サンダーはウェストブルック、ジョージ、カーメロ・アンソニーという、平均20得点以上を稼げる選手を3人も擁している。カーメロこそ現在シューティング・スランプに陥っているものの、コート上でプレーを続けていくうちに、チーム全体としてオフェンス面の数字は次第に上がってくるだろう。そしてチームとして48分間、ハイレベルなディフェンスを行うことが遂行できれば、この状況を止めることはできるはず。

 ジョージとカーメロは、今季終了後にプレーヤーオプションの権利を持っている。それはつまり、今季のサンダーが優勝とは程遠い結果に終わってしまえば、2人ともチームを去る可能性が十分あることを意味する。チャンピオンシップは12月に決まるわけではないものの、プレーオフ出場争いは激しくなることが予想できるため、そろそろ勝ち星先行モードにスイッチしたいところだ。

豊富なタレントを擁するサンダー。巻き返しなるか?[写真]=Getty Images

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