2018.03.06
日本時間1月4日(現地時間3日)にロサンゼルス・レイカーズのホームで行われたオクラホマシティ・サンダー戦は、ラッセル・ウェストブルック、カーメロ・アンソニー、ポール・ジョージのビッグスリーが今季初めてロサンゼルスに来た試合だった。
3人がようやく噛み合い、調子を上げているのに加え、ウェストブルックとジョージにとっては地元での試合とあって、この日はレイカーズファンにとっても楽しみな相手との対戦であり、会場は多いに盛り上がった。
ところが、である。レイカーズのプレーに一喜一憂し、ビッグスリーの活躍に感嘆していた声は、試合が深まるにつれ、その対象が変わった。
サンダーのテレンス・ファーガソン。この試合までの1試合平均出場時間が7分で、1.3得点だったルーキー。この日初めて先発となったが前半はシュートを1本打っただけで無得点に終わっていた。
しかし第3クォーターにいきなり4本の3ポイントシュートを決めると、第4クォーターは跳躍力抜群の力強いダンクとウィンドミルで観客を沸かせた。
結局ファーガソンは自己最多の24得点。点差が開いて敗戦が決まっていたレイカーズのファンも、見慣れぬ選手の非凡な才能にすっかり酔いしれていた。
ファーガソンの名がそれほど知られていないのは、彼が高校卒業後大学に進学せずオーストラリアのプロリーグでプレーしていたからだ。大学に行っていれば1年生から先発で活躍していた可能性が高いが、プロでは控えだった。だが、大学スポーツの専門サイトHero Sportsに「大学に行った多くの選手は自分こそがチームを引っ張る選手という意識を持っているが、(プロの世界では)必ずしもそうではない。僕はそれを打開し正しい思考態度でNBAに臨める」と話していた。
実際アンソニーも「彼は休むことなく日々努力している。アドバイスも素直に受け入れるし、コーチに言われたことはしっかりやり遂げる。今日彼がやったことは偶然でも何でもない」と話し、ジョージは「このチームに来た時から彼の才能の高さに気づいていた。そして彼の練習熱心な姿に感心した」と続けた。そしてファーガソンの活躍のきっかけを作った人物。それがウェストブルックだ。
「2本目のシュートを打った時だったかな。ラスが言ってくれたんだ。『お前が10本連続で外そうとも俺は気にしない。だから打ち続けろ』と。その言葉で自信が湧いた」とファーガソンは振り返った。
シーズン前は友人からビッグスリーの揃ったサンダーでは出る幕なしとからかわれた。だが実際には、3人から背中を押されている。
「ダンクした後ベンチを見たら、みんなが喜んでくれていた。試合にも勝ったし、最高」。19歳は、あふれんばかりの笑顔で言った。
文=山脇明子
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