2017.12.13

【NBA COLUMNS from LA】人との付き合いを大切にするクロフォードがLAにがい旋、「ここでは生涯続く関係を築くことができた」

キャリア18年目のクロフォード。今季はベンチから平均9.4得点を挙げる活躍で、存在感は健在だ[写真]=Getty Images
ロサンゼルス在住。1995年に渡米、現在は通信社の通信員として、MLB、NBAを中心に取材を行っている。

 昨季まで、ロサンゼルス・クリッパーズの試合を見ていてよく思ったことがある。

ジャマール・クロフォードが相手のチームにいたら、本当に嫌だろうな」ということだ。得意のクロスオーバーで相手をかわし、シュートし続ける。好不調に関わらず、常にアタックモードだ。そしていつまでも変わらないフットワークと、瞬発力(とルックス)に度々彼の年齢(現在37歳)を疑ったものだ。

昨季まで在籍していたクリッパーズでは、主にベンチから2ケタ得点を連発し、勝利に貢献していたクロフォード[写真]=Getty Images

 そのクロフォードが12月7日(現地時間6日)、クリッパーズと対戦するためにミネソタ・ティンバーウルブズの一員としてロサンゼルスに戻って来た。「過去5年多くを共に経験し、生涯続く関係を築くことができた」という元チームメイトやコーチとの再会を喜んだクロフォード。実際昨季から残っているクリッパーズの選手は5人だけだが、「でもインターンとか、(アリーナで働く)スタッフとか、アリーナを行き来している間に親しくなり名前も知っている人がたくさんいて懐かしかった。ここにはシーズンのうち2回しか来られないから」。人との付き合いを大切にするクロフォードらしい言葉だった。

 もちろんクリッパーズの選手らも再会を楽しみにしていた。ドク・リバースHCは、「今ここになくて一番残念だと思うものを挙げるとすれば、彼がいないことだ」と話し、クロフォードから「真のプロとは何かを学んだ」というディアンドレ・ジョーダンは、今でも毎日連絡を取り合っていることを明かした。そしてクロフォードとロッカーが隣だったオースティン・リバース(以降Aリバース)。NBA選手として伸び悩んでいたAリバースを励まし、アドバイスを与え続けたのがクロフォードで、リバースHCもAリバースがここまで向上できたのはクロフォードのお陰だと話していた。

 クリッパーズは同試合のタイムアウト中クロフォードへの感謝を表すビデオを流した。それを真剣に見つめていたのは、クリッパーズのファン、選手だけでなく、現チームメイトもだった。そして「彼はこれだけ敬われるべき選手だということを示したかった」と、Aリバースがコートに出てきてファンにクロフォードへの歓声を煽ると、会場全体が拍手喝采に包まれた。

 ウルブズの3年目タイアス・ジョーンズは、「彼が何か言ってくれる時、彼のプレーを見る時、僕はスポンジのように何でも吸収するようにしているんだ。彼のことを尊敬している。まだチームメイトになって3か月だけど、すでに多くのことを彼から学んでいる」と言った。そして「彼がこのチームに来てくれて、本当に良かった」と笑顔を見せた。

 この日、クリッパーズの誰もが振り返ったクロフォードとの日々は、ウルブズで現在持続中のようだ。

昨季までのチームメイトだったジョーダン(右)と現チームメイトのジミー・バトラー(中央)と談笑するクロフォード[写真]=Getty Images

文=山脇明子

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