日本時間12月24日(現地時間23日)にロサンゼルスで行われたポートランド・トレイルブレイザーズ対ロサンゼルス・レイカーズ戦で、エースのデイミアン・リラードが故障欠場し、リラードとともにチームを支えるCJマッカラムが不調だったブレイザーズが接戦を制した。
勝因は、22得点したモーリス・ハークネスら控え選手の活躍。そしてリラードの代わりに今季初めて先発したシャバズ・ネイピアーのプレーも光った。ネイピアーは第3Q終了直前に3ポイントシュートを決め、同点で第4クォーターに突入する機会を作ったり、89-88の第4クォーター残り1分59秒にはジャンプシュートを決めてブレイザーズを有利にするなど21得点(5アシスト3リバウンド3スティール)と奮闘。テリー・ストッツHCも「第3クォーターにシャバズが勢いをつけてくれた」と満足気に話した。
Maurice Harkless (22 PTS, 6 REB) and Shabazz Napier (a career-high 21 points and 5 AST), lead the @trailblazers in the close win!#RipCity pic.twitter.com/8lvnP11inD
— NBA (@NBA) December 24, 2017
普段ならば、リラードとマッカラムが中心となる場面で見事にステップアップした。「競ったゲームは大好きだし、緊張することはない。だってシュートというものは、入るか入らないかだ」と堂々と話すネイピアー。さすがは大学時代に全米王者を2度経験しているだけのことはある。
コネチカット大で、ケンバ・ウォーカー(現シャーロット・ホーネッツ)の控えだった1年生の時に全米大学選手権(NCAAトーナメント)の準決勝、対ケンタッキー大戦で残り2秒に勝利を決定づけるフリースロー2本を決めた。この試合は絶不調だった。しかし当時19歳のネイピアーは攻撃意欲を失うことなく、ここぞという場面で4得点し強心臓を見せた。そして4年生の時には4年前と同じケンタッキー大相手の決勝で22得点して母校を4年間で2度目の王者に導いた。
全米が注目する大舞台。しかしネイピアーは「バスケットボールだよ。いつものようにプレーすればいいだけだ」とのんきだ。
実は、このレイカーズ戦でも第1クォーターに放った5本のフィールドゴールをすべて外していた。しかし、第2クォーターには4本すべてを決めるなど、第3クォーターまでで19得点した。「僕はアグレッシブなんだ。だから自分の力を試したかった」と積極性を失わなかった理由を話した。
そんなネイピアーと話して感じたことがある。質問の答えの多くに頑張ったチームメイトの名や「みんな」という言葉が頻繁に出ることだ。過去の記事を読むと、自らが支配力を見せて優勝した2014年のことを聞かれ、チームメイト数人の活躍を挙げて「みんなの力があってこそ優勝できた」と話していた。
コート内外で活躍できる頼もしい控えが存在するブレイザーズ。リラード、マッカラムの2本柱も心身ともに成熟した選手で、みんなで助け合えるいいチーム力が築いていけそうだ。
文=山脇明子