2月19日(現地時間18日)に迫った「NBAオールスターゲーム2018」。今年はイースタン・カンファレンスとウエスタン・カンファレンスによるゲームではなく、レブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ)がキャプテンを務める「TEAMレブロン」と、ステフィン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ)がキャプテンを務める「TEAMステフィン」というオリジナルチームの対決という形で行われる。そこでバスケットボールキングでは、今年のオールスター出場選手を、チーム別でそれぞれ紹介していく。
■TEAMステフィン選手紹介⑥
カイル・ラウリー(トロント・ラプターズ)
ガード/183センチ/93キロ/キャリア12年目
<NBAにおける主な記録・功績>
オールNBAサードチーム選出:1回(2016)
オールスター選出:4回(2015,16,17,18)
<2017-18シーズン 個人成績>
平均32.6分16.5得点5.8リバウンド6.5アシスト
※2月5日(現地時間2月4日)終了時点
ラプターズの“ハート&ソウル”として君臨するベテラン
2006年.メンフィス・グリズリーズにドラフト1巡目全体24位指名されてNBA入りしたラウリー。今でこそイースト有数のポイントガードとして定評を得ているものの、スターター定着までの時間は長かった。グリズリーズ、ロケッツと渡り歩き、12-13シーズンから加入したトロント・ラプターズでようやく先発に定着し、オールスターにも選出されるようになった。伸び悩んでいたラウリーに手を差し伸べたのは、レジェンドのチャウンシー・ビラップス(元デトロイト・ピストンズほか)。ビラップスは自身のキャリア序盤とラウリーが重なって見えた部分があったようで、エリートポイントガートになるべく、ラウリーへアドバイスを送った。それがラウリーのキャリアを好転させたのである。
ラウリーはラプターズの“ハート&ソウル”となり、チームはプレーオフ常連へと躍進していく。4年連続でオールスターに選ばれていることが、この男の評価を示している。コンビを組むデマー・デローザンはラウリーについて「カイルがいないと、ゲーム全体がまったく違うものになる。すべてだ。カイルがいないと、チーム全体のボールムーブメントがスムーズではなくなるんだ。彼はコート上のジェネラル(将軍)なんだ」と現地メディア『thestar.com』に対して語っており、絶大な信頼を置いている。ちなみに、キャリア12年目を迎えた今季のラウリーは、ここ5シーズンで最もプレータイムと平均得点が低い。だがこの男は、現在歩んでいるプロセスを気に入っており、楽しんでいる。「(プレータイムと得点が減少したことについて)そりゃあ最悪さ。でもチームにとっていいことなんだ。確かに俺はプレーしたい。コートに出てプレーしたいさ。でも長期的に見れば、これがチームとしてベストなことだと思ってる」と若手の成長を促す役割も果たしている。
ラプターズがイーストを勝ち上がるために不可欠な要素が2つある。1つはデローザンが毎試合、安定して高得点を残すこと。そして2つ目は、ラウリーが得点、リバウンド、アシストでアグレッシブにプレーし、かつ勝負どころでショットを決め切ること。つまり、ラウリーがフル回転すべき時期は今ではなく、プレーオフが始まる4月中旬以降ということ。過去数年というもの、ラウリーはシーズン中からフル回転していたことを考えれば、今季のラプターズは先を見据えて戦っていることがわかる。そして2月5日(同4日)終了時点でイースト2位(36勝16敗)と、大幅に勝ち越している。これはラウリーとラプターズの双方にとって、有益なことなのは間違いない。
<オールスターモーメント>
本戦では3年連続2ケタ得点を記録中
過去3年連続でオールスター本戦に出場しており、いずれも2ケタ得点をマーク。昨年は自己最多となる19得点を挙げた。そのほか、2015年にはスキルズチャレンジ出場、3ポイントコンテストは今年も含めて3年連続で出場することとなる。
<今年のオールスターにおける注目点>
TEAMレブロンの指揮を執るケイシーHCとの心理戦
チームメートになって6シーズン目を迎えるデマー・デローザンとはTEAMステフィンで一緒にプレーすることとなった。昨年までと同様に、今年も隙あらばアグレッシブに得点を狙いにいくことだろう。ただし、TEAMレブロンにはラプターズのドウェイン・ケイシーHCがいるだけに、ラウリー本人の特徴を見抜いた作戦を用いてきたとすれば、思わぬシューティングスランプに陥る可能性あり。試合中に指揮官との心理戦があれば面白そうだ。