条件が合わず、昨夏キャブスからのオファーを辞退
3月8日(現地時間7日)、レジェンドのチャウンシー・ビラップス(元デトロイト・ピストンズほか)が、NBAチームのフロント職(バスケットボール運営部門代表)へ就くことに対する自身の考えを、現地メディア『BSN Denver』で語った。
「今でもそれは、僕にとって願望なんだ。その時がくれば、また何か起こるだろうね」
現在ビラップスはESPNのNBAアナリストを務めているのだが、昨夏クリーブランド・キャバリアーズのバスケットボール運営部門代表に就任する可能性があった。というのも、デイビッド・グリフィン前GMがその座を降りたとき、ビラップスは同チームのバスケットボール運営部門代表の有力な候補として名前が挙がっていたからだ。
しかし、ビラップスは辞退した。複数の現地メディアの情報によると、キャブスがビラップスにオファーした報酬は200万ドルと、市場価格よりも低かったからだという。
「このような仕事を得る時というのは、(オファーする側のチーム)状況が良くない時なんだ。もし良い状況であれば、その職が不在ということなんてないからね。でもこの仕事ができる人は、世界でわずか30人(全30チームのため)しかいない。だから、もし誰かが自分に興味を持ってくれたら、熟考しなきゃならない。熱烈に、どうしてもその仕事がしたいんだとアピールする必要があると思う」とビラップスは自身の現状について語った。
NBAで確かな実績と人望を持つビラップス
1997年ドラフト1巡目全体3位指名でNBA入りしたビラップスは、ルーキーシーズン途中にトレードされる屈辱を味わうなど、キャリア序盤はジャーニーマンのように移籍を何度も経験。2000-01シーズンから2シーズン在籍したミネソタ・ティンバーウルブズで頭角を現し、ピストンズへ加入した02-03シーズンからブレイクしていった。
04年にはNBAファイナルでロサンゼルス・レイカーズを4勝1敗で下す殊勲者となってファイナルMVPを獲得。08年途中にはキャリア初期に在籍したチームで、自身の故郷でもあるデンバーに本拠地を置くナゲッツへ移籍し、09年にはカンファレンス・ファイナル進出。03年から7年連続で所属チームをカンファレンス・ファイナルへと導いた。ビラップスはキャリア17シーズンでオールスターに5度選出されており、クラッチタイムで本領を発揮することから“ミスター・ビッグショット”というニックネームでも親しまれたレジェンドである。
通算1,043試合に出場し、キャリア平均31.6分15.2得点5.4アシストを記録したビラップスは、チームをけん引するリーダーシップにたけていた。また、人望が厚く、チームメートや若手選手のメンター(助言者)としてカイル・ラウリー(現トロント・ラプターズ)の成長もサポートしてきた経歴を持つ。
ビラップスには選手として十分な実績があり、人望も厚いことから、近い将来、NBAチームのバスケットボール運営部門代表を務めていても、決しておかしくはないだろう。
現職であるNBAアナリストとして活躍するかたわら、将来に向けて各チームの状況を分析しているに違いない。