4月12日(現地時間11日)、NBAは各チームが82試合にもおよぶ長いレギュラーシーズンが終了。15日(同14日)からはプレーオフが幕を開け、毎日激しい試合が行われている。
そんな中、現地メディア『ESPN』のシニアライター、ザック・ロウ記者が今季のオールNBAチーム、オールNBAディフェンシブチーム、オールルーキーチームについて記事にしていたので紹介したい。
まずはオールNBAチームを見てみよう。
※G=ガード、F=フォワード、C=センター
■オールNBAファーストチーム
G.ジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)
G.デイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)
F.レブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ)
F.ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)
C.アンソニー・デイビス(ニューオリンズ・ペリカンズ)
■オールNBAセカンドチーム
G.ラッセル・ウェストブルック(オクラホマシティ・サンダー)
G.ビクター・オラディポ(インディアナ・ペイサーズ)
F.ケビン・デュラント(ゴールデンステート・ウォリアーズ)
F.ラマーカス・オルドリッジ(サンアントニオ・スパーズ)
C.ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)
■オールNBAサードチーム
G.ステフィン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ)
G.クリス・ポール(ヒューストン・ロケッツ)
F.ベン・シモンズ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)
F.ジミー・バトラー(ミネソタ・ティンバーウルブズ)
C.ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)
リラードは1stチームに値する
ファーストチームのセンターに選んだデイビスは、1月下旬にデマーカス・カズンズが負傷離脱してからは、特にセンターとしてプレーする時間が多かったことから選出。リラードと2シーズン連続で“平均トリプルダブル”を達成したウェストブルックは、得点では前者が、リバウンドとアシストでは後者に分がある。それでも、全5チームが勝ち越しとなったノースウエスト・ディビジョンのトップへとブレイザーズを導いたリラードこそが、ファーストチーム入りにふさわしい。
今季はデローザンよりもオラディポの方が貢献度は高い
メンバーを見てのとおり、イースタン・カンファレンスのトップ2チーム、トロント・ラプターズとボストン・セルティックスから誰も選ばれていない。まずラプターズのデマー・デローザンとカイル・ラウリーだが、両者ともすばらしい選手ではあるものの、イーストトップの成績を残したチームにおいて強烈なインパクトを残したかというと、それほど証拠がない。それに、彼らのうちいずれかが欠場しても、ラプターズは勝利している。
その点、今季急成長したオラディポは、オフェンス面ではデローザンと同等の成績だが、ディフェンス面では明らかにオラディポに分がある。デローザンが欠場しても勝てるラプターズと違って、オラディポがいないとペイサーズは試合に勝てない(欠場した7試合で全敗している)。今季でいえば、オラディポがラプターズのオールスターデュオを上回るのではないだろうか。
シモンズのオールNBAチームは適格
また、セルティックスではカイリー・アービングとアル・ホーフォードというオールスター選手が選ばれていない。サードチームにはカイリー(60試合)よりも出場試合が少ないカリー(51試合)とポール(58試合)が入っているのだが、ウォリアーズとロケッツはリーグベストの2チームであり、両者はそれぞれのチームにおいて重要な役割を担っているため、この人選とした。
ホーフォードをはじめ、ポール・ジョージ(サンダー)やドレイモンド・グリーン(ウォリアーズ)ではなく、新人シモンズをサードチームのフォワード枠に入れた。シモンズはオールNBAチームに適格だと思う。多くの時間帯でフォワードのディフェンスをしている点もその理由として挙げておきたい。
続いて、オールNBAディフェンシブチームを見ていこう。
■オールNBAディフェンシブファーストチーム
G.クリス・ポール(ヒューストン・ロケッツ)
G.ビクター・オラディポ(インディアナ・ペイサーズ)
F.ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)
F.アンソニー・デイビス(ニューオリンズ・ペリカンズ)
C.ルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)
■オールNBAディフェンシブセカンドチーム
G.ジョシュ・リチャードソン(マイアミ・ヒート)
G.ドリュー・ホリデー(ニューオリンズ・ペリカンズ)
F.ロバート・コビントン(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)
F.ドレイモンド・グリーン(ゴールデンステート・ウォリアーズ)
C. ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)
ディフェンスでも万能型のアデトクンボ
バックスのディフェンスは決して良くはないものの、アデトクンボがコートにいると、その数字が上昇しており、その存在感は別格。リーグでもほんのわずかしかいない、全ポジションをガードできる希少な選手だ。
セカンドチームに選出したコビントンは、センター以外の4つのポジションをガードできる選手であり、ディフェンス時におけるディフレクション(ドリブル時にボールに触れたり、パスをはじくこと)でリーグトップ(平均3.9回)を誇っている。
最後はオールルーキーチームだ。
■オールルーキーファーストチーム
ベン・シモンズ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)
ドノバン・ミッチェル(ユタ・ジャズ)
ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)
カイル・クーズマ(ロサンゼルス・レイカーズ)
ボグダン・ボグダノビッチ(サクラメント・キングス)
■オールルーキーセカンドチーム
ジョン・コリンズ(アトランタ・ホークス)
ロンゾ・ボール(ロサンゼルス・レイカーズ)
バム・アデバヨ(マイアミ・ヒート)
ラウリー・マルッカネン(シカゴ・ブルズ)
デニス・スミスJr.(ダラス・マーベリックス)
万能型ボグダノビッチが1stチーム入り!
ルーキー豊作と言われる中、選んだのがこの10人。ボグダノビッチは平均得点ではルーキー中9位ながら、洗練されたオールラウンドなプレーを見せており、ショットの精度も高かった。
もちろん、これはあくまで1人の記者による選出のため、実際に選ばれるメンバーは少なからず変わってくるに違いない。それでも、選出したロジックがわかると、説得力もプラスされ、より納得できる人選になるというもの。
業界内における同調圧力に従ってしまうような結果にはならないとはいえ、アワードの投票ではイメージだけで判断されてしまう選手もいるかもしれない。その点、このような見せ方はユニークだと言っていいだろう。