第3Qで一気に試合を決めた王者ウォリアーズ
5月21日(現地時間20日)、ヒューストン・ロケッツ(1勝)とゴールデンステート・ウォリアーズ(1勝)によるウエスタン・カンファレンス・ファイナル第3戦が、ウォリアーズのホーム、オラクル・アリーナで行われた。
第1クォーター。両チームが交互に得点を重ねていく中、ホームの大観衆を味方につけたウォリアーズが徐々にリードを奪っていく。
20-22と2点ビハインドの場面から、クレイ・トンプソンのジャンパー、ケビン・デュラントのフリースロー2本にジャンパー、アンドレ・イグダーラが自ら放ったショットを外すもティップインダンクを決める。さらに残り4.4秒、ファストブレイクからニック・ヤングがノーマークで3ポインターを決め、31-22と9点をリードしてこのクォーターを終える。
ロケッツは右足首を痛めた影響もあり、クリス・ポールがミスショットを重ね、第1クォーター終了間際にトラベリングをコールされるなど不振。PJ・タッカーやトレバー・アリーザが踏ん張るも、肝心のショットが決まらず不発。
第2クォーター。ロケッツはクリント・カペラのティップショットやジェラルド・グリーンの3ポインターで6点差まで詰め寄るも、ショーン・リビングストンやトンプソンのショットでリードを奪い、残り9分17秒でウォリアーズが10点差に広げるとロケッツがすかさずタイムアウト。その後タッカーが左コーナーから鮮やかに3ポインターを決めるも、デュラントがジェームズ・ハーデンの頭上からお返しとばかりに3ポインターをヒットさせ、ロケッツはビハインドをなかなか縮められず。
するとロケッツは、ポールにハーデン、タッカー、エリック・ゴードン、アリーザという自慢のスモールラインナップで追い上げを図る。ディフェンス面では高さのミスマッチをカバーし、ウォリアーズのオフェンスを何度も抑えるも、肝心のショットが空を切ってしまう。
ウォリアーズはハーデンに対し、得意とする左方向へのドライブを防ぎ、右側へのドライブを誘引し、少しでもショット成功率を落とすように仕向けると、ショットミスもあってロケッツのスコアが停滞。ウォリアーズはデュラントのショットとステフィン・カリーのフリースロー2本でリードを13点に広げると、前半終盤にハーデンが得意のステップバック3ポインターでファウルを誘い、フリースロー3本を獲得。そのうち2本を沈め、54-43と、ウォリアーズの11点リードで試合を折り返す。
第3クォーター序盤。ウォリアーズはカリーの3ポイントプレー、デュラントとカリーのショットに続き、左コーナーからデュラントの3ポインターが決まり、64-43と、リードを一気に21点まで拡大。
タイムアウト明けのロケッツは、カペラ、ハーデン、ポールが加点し、13点差まで追い上げる。対するウォリアーズは、カリーが2本連続レイアップに3ポインター、さらにトンプソンのドライブで9連続得点。さらにカリーが復調をアピールするかのように再び3ポインターとフローターを決め、80-56と24点差に突き放した。残り2分59秒には、84-56とし、ロケッツから28点リードを奪う。
するとロケッツは、ポールが2連続ジャンパーに3ポインター、グリーンの3ポイントプレーなどで追撃し、88-67のウォリアーズ21点リードで最終クォーターへ。
第4クォーターに入り、ロケッツはグリーンやタッカーが3ポインターをねじ込み、ハーデンのドライブが決まるなど加点していくものの、ウォリアーズもカリーの3ポインターやリビングストンのダンクなどで追加点をマーク。
その後もハーデンが3ポインターを決めて対抗するも、カリーが3ポインターでお返しし、両チームの点差は変わらず。最終スコア126-85でウォリアーズが41点差の完勝。シリーズ戦績を2勝1敗とした。
カリーのタフネスを絶賛した指揮官カー
ウォリアーズではカリーがゲームハイの35得点に6リバウンド、デュラントが25得点6リバウンド6アシスト、トンプソンが13得点2ブロック、ドレイモンド・グリーンが10得点17リバウンド6アシスト、イグダーラが10得点3スティール、勝負が決した第4クォーター中盤から出場したクイン・クックが約5分間に11得点2スティールを記録。
カリーは前半、3ポイントシュートが7投中1本と不発だったものの、レイアップやフリースローで得点を重ね、第3クォーターで一気に爆発。第3クォーターだけで18得点を挙げる猛攻でリズムをつかんだ。後半は5投中4本の3ポイントシュートを決めるなど、ここ2戦の不調を挽回するパフォーマンスで、オラクル・アリーナを一気にヒートアップさせた。
なお、ウォリアーズはこの勝利により、プレーオフでホーム16連勝。1990年から91年にかけてシカゴ・ブルズが達成した15連勝を上回り、ホームにおける最長連勝記録を塗り替えてみせた。
敗れたロケッツでは、ハーデンが20得点5リバウンド9アシスト、ポールが13得点10リバウンド2ブロック、カペラが13得点8リバウンド、ゴードンが11得点を残すも、41点差という屈辱的な大敗。
試合後の会見で、ウォリアーズのスティーブ・カーHCは、「チームとしてのディフェンスが、今夜はとても良かった」とディフェンス面を称賛。途中で起用したケボン・ルーニーやジョーダン・ベルの働きについても高評価を与えていた。
カリーのパフォーマンスについては「今夜彼がやったことに対して、我々の中では誰一人驚いてはいない。彼のタフネスさは、過小評価されていると思う。彼には見事なスタミナがあり、フィジカル・タフネス、メンタル・タフネスもすばらしい」とエースを絶賛。
「前半にワイドオープンで3ポイントをミスした場面もあったけど、自信をなくすことは全くなかった。(第3クォーターの爆発について)ショットしたあとのボールが(リングに)入っていくのを見たんだ。その時はちょうどいいタイミングで、ちょうどいいスポットだったんだな、と思ったんだ」と語ったカリー。これこそが、カリー本人だけでなく、チームやファンが待ち望んでいた瞬間だった。
23日(同22日)に行われるシリーズ第4戦は、ロケッツにとって絶対に落とせない一戦となる。もし敗れてしまうと、1勝3敗という絶体絶命のピンチに陥ってしまうからだ。この日の大敗から切り替えて、アウェーで何とか1勝をもぎ取りたい。