プレーオフ総得点で歴代2位となる748得点を挙げて今季を終えたレブロン

レブロンは平均34.0得点8.5リバウンド10.0アシストという超人的な活躍を見せたものの、自身2度目のスウィープ負けとなった[写真]=Getty Images

初戦に敗れた後に右手を骨折していたことを明かしたレブロン

 6月9日(現地時間8日)、NBAファイナル第4戦でクリーブランド・キャバリアーズはゴールデンステート・ウォリアーズの前に4連敗を喫し、スウィープ負けで今季を終えた。

 下馬評は圧倒的にウォリアーズ優勢ではあったものの、キャブスは接戦に持ち込んだ第1戦で勝ち切ることができず、第3戦でも第4クォーターに点差を広げられてしまい、1勝するチャンスを逃してしまったと言えるだろう。

 シリーズ終了後、キャブスの大黒柱レブロン・ジェームズは、右手を包帯とサポーターのようなもので固定して会見に現れた。

 複数の現地メディアによると、第1戦の惜敗後、ロッカールームにあるホワイトボードを殴ってしまい、右手を骨折していたという。そのため、レブロンは第2戦以降、右手を負傷しながらプレーを続けていたのである。レブロンは右手の負傷についてこう明かす。

 「自ら招いてしまったケガだ。第1戦後、俺はとても感情的になっていた。ロードで戦う第1戦がどれだけ重要なのかを理解していた。ゲームを通じて俺たちがどう戦ったか、どうプレーしていたか、コールについてなど、いくつもの理由があった。ロードでウォリアーズを倒すチャンスはそう簡単に訪れることではない。だから俺は自分の持ち得るすべての感情を持ち込んだ。だからこの3試合は、骨折した状態で長い時間プレーしていたんだ」。

右手の骨折に加えて、レブロンは相手選手の手が左目に入って赤く染まり、足首をひねる場面もあったが、プレーを続けた[写真]=Getty Images

 キャリア15シーズン目となった今季、人々へどのように記憶されたいかと聞かれると、レブロンは開口一番に「わからないな」とコメント。そして「間違いなく慌ただしいシーズンだった。アップ&ダウンがいくつもあった」と振り返った。そしてこう続けた。

 「俺個人としては、シーズンを通じて一貫したプレーができるようにトライしていた。できる限り、このチームのために俺は毎晩リーダーとしてプレーした。どこでどんなことが起ころうとも、一日一日、信頼される存在になれるようにと、すべてのことに励んできた」。

 今季のレブロンは、全身全霊を込めてキャブスを勝利へと導くべく、レギュラーシーズン82試合にフル出場。プレーオフでも22試合すべてでコートに立ち続け、平均40分以上プレーしてきた。ウォリアーズとのファイナルでは平均34.0得点8.5リバウンド10.0アシストというすばらしい成績をマークしている。

 また、『ESPN Stats & Info』によると、単年のプレーオフにおける総得点で、レブロンは今年748得点を積み上げた。これは1992年のマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)が残した759得点に次ぐ歴代2位というとてつもない数字だった。

さらなる優勝の機会を追い求めるレブロンが下す決断は要注目!

 レブロンが今季を終えたことで、今後の去就についてのウワサも再燃することだろう。現地記者から「これがキャブスでのラストゲームなのか?」と聞かれ、「今の時点ではわからない」と交わすと、「すべてのことについてじっくり考えるつもりだ。キャリアの中で決断していくことは、俺の家族にとってもきわめて重要なことだから」とレブロン。

 プレーヤーオプションを行使して、レブロンが今夏に制限なしフリーエージェント(FA)となる可能性は十分あると言えるだろう。他チームに移籍する可能性も決してゼロではない。そもそも、去就についてこれほど注目される選手もこの男くらいだろう。

第3戦では2年連続で“1人アリウープ”を完遂するなど、レブロンのプレーは衰えることを知らない[写真]=Getty Images

 レブロンが求めるのは勝利、そしてチャンピオンシップのみ。最後にレブロンがチャンピオンシップについて語った言葉を紹介したい。

 「今でも俺は、ゲームに多くのものをもたらすことができる。俺は今後もチャンピオンシップを勝ち取ることができる状況にありたいんだ。今季をとおして見せてきたプレーは、どうして俺がチャンピオンシップにこだわっているのかを示していたと思ってる」。

 33歳になり、円熟味を増し続けているレブロン。NBAどころかスポーツ界全体において絶大な影響力を誇る“キング”が、この夏どのような決断を下すのか。NBAがオフシーズンに入ろうと、決して目を離してはならない。

残留にせよ移籍にせよ、この夏レブロンの去就はNBA最大の注目を集めることになるだろう[写真]=Getty Images

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