今季前半に“東西の2大巨頭”を撃破したキングス
6月22日(現地時間21日)に行われた「NBAドラフト2018」。サクラメント・キングスは1巡目全体2位でデューク大のビッグマン、マービン・バグリー三世を指名。今季平均21.0得点11.1リバウンドを記録したバグリー三世は211センチ106キロという恵まれたサイズを持つ選手で、キングスに新たな若い才能が加わった。
2006年を最後に、プレーオフから12年遠ざかっているキングスには、徐々にではあるものの若いタレントがそろってきている。
キングスはスコアラーのバディ・ヒールド、ビッグマンのウィリー・コーリー・スタイン、オールラウンダーのボグダン・ボグダノビッチ、司令塔のディアロン・フォックス、フォワードのスカル・ラビシエといった25歳以下のヤングタレントを抱えており、バグリー三世の加入でより魅力的なロースターとなるだろう。
また、ザック・ランドルフとビンス・カーター(今夏制限なしFA)という頼れるベテランが若手をサポートしてきたことで、着々と戦力アップしている。
ドラフトを終えると、ブラデ・ディバッツGMは複数の現地メディアに対してこう語った。
「キングスはスーパーチームだと思う。ただ若いだけだ」。
ディバッツGMは自身のチームをヤングタレントの宝庫と称し、自信をのぞかせた。そしてこう付け加えている。
「我々は今、競い合っている。ハードにプレーしているし、とても楽しんでいる。今季のリーグにはいくつかスーパーチームがあったが、我々は2度も打ち負かした。我々は今後も学ぶべきことが多いが、一日一日、そして毎年良くなっていくさ」。
今季キングスが残した成績は27勝55敗でウエスタン・カンファレンス12位。その中で、ディバッツGMが語ったように、今年のNBAファイナルに出場したゴールデンステート・ウォリアーズとクリーブランド・キャバリアーズからシーズン前半に白星をつかみとっている。
もっとも、6人がケタ得点を奪って勝利したウォリアーズ戦はアウェーだったとはいえ、ステフィン・カリーとケビン・デュラントが不在だった。そしてキャブス戦ではカーターがゲームハイの24得点を挙げたことを考えると、キングスにはまだまだ時間が必要と考えるのが妥当だろう。
期待のルーキー、バグリー三世はキングスの中心選手となれるか?
それでも、バグリー三世はキングスに対して好印象を持っていたと明かしている。
「僕はこのチームとこの町、そしてフロント陣が向かっている方向性について、いい印象を持っていた。僕は彼らの声に耳を傾けて、できる限りのプレーを見せるべく、ワークアウトに臨んだ。彼らが僕を指名してくれてうれしいね」。
来季のキングスは、豊富なタレントを抱える一方で、ポジションとプレータイムの奪い合いになる可能性も十分ある。だがバグリー三世は、キングスでプレーするにあたって自身のストロングポイントをこのように語っている。
「僕は自分のゲームにおけるいろいろな面を見せることを、とても楽しみにしている。僕はオールラウンドプレーヤーなんだ。ボールを持ったときのドリブルやハンドリングスキル、チームメートの得点機会をクリエートすること、正しい判断をすることに関して、自信を持ってるんだ」。
キングスは99年から06年までの8年間、連続してプレーオフに出場していた。ディバッツGMは当時、先発センターとしてオールラウンドにプレーしていた。そのためなのか、ディバッツGMはビッグマンが大好きなのは否めない。
とはいえ、キングスが着実に勝てるチームへと変貌するにあたって、キングスをけん引することができるビッグマンの存在は不可欠ということなのだろう。
はたして、バグリー三世はキングスの中心選手として台頭することができるのか。来季に向けて、楽しみな要素がまた1つ増えたことは間違いない。