セルティックスのダニー・エインジGMが「大型トレードは起こりそうもない」と言及

現有戦力に自信を持ってると明かしたエインジ[写真]=Getty Images

カワイ・レナードを獲得できるチャンスを持つ魅力的なロースター

 今季のボストン・セルティックスは、開幕戦でオールスターのゴードン・ヘイワードが負傷離脱し、3月中旬にはチームのトップスコアラーだったカイリー・アービングも左膝の手術により戦線離脱する中、プレーオフではNBAファイナル進出まであと1勝に迫る快進撃を見せた。

 ベテランで今季オールスターにも選出されたアル・ホーフォードを中心に、テリー・ロジアージェイレン・ブラウンジェイソン・テイタムマーカス・スマートといった若手が躍動し、マーカス・モリスやアーロン・ベインズら中堅選手が要所で活躍。指揮官のブラッド・スティーブンズHCの下、見事な戦いぶりを見せ付けたことで、プレーオフでは最大のサプライズとなった。

主力選手を2人も欠きながら、予想外の健闘を見せたセルティックス[写真]=Getty Images

 今夏セルティックスの主力では、スマートが制限付きフリーエージェント(FA)、ベインズとグレッグ・モンロー、シェーン・ラーキンが制限なしFAとなる。

 その一方で、今季フェネルバーチェ(トルコ)でプレーしたブラッド・ワナメイカーと来季以降の契約を結んでいるため、現状ではスマートとラーキンの去就は不透明となっている。

 だがセルティックスにおいて、現在最も気になるのはカワイ・レナード(サンアントニオ・スパーズ)を獲得するかどうかだろう。レナードのトレードを模索するスパーズにとって、セルティックスは最も豊富な交換要員を抱えており、最大のターゲットとウワサされるテイタムを筆頭に、魅力的な若手選手たちが数多く在籍しているからだ。

セルティックスのヤングコアの中でも、特に成長が期待できるテイタム(左)とブラウン(右)[写真]=Getty Images

現有戦力でリーグ制覇を目論むセルティックス

 そんな中、6月30日(現地時間29日)、現地メディア『ESPN』はセルティックスのGMでありバスケットボール部門のエグゼクティブ・ディレクターを務めるダニー・エインジが発した言葉を報じていた。

 2007年にはドラフト当日にトレードでシアトル・スーパーソニックスからオールスターガードのレイ・アレン(元ソニックスほか)を獲得し、7月末には当時リーグ屈指の選手として評価の高かったケビン・ガーネット(元ミネソタ・ティンバーウルブズほか)を5選手とドラフト指名権2つを差し出して獲得するなど、エインジは積極果敢に戦力補強を行ってきたことから、今夏もレナードのような大物選手を獲得できるチャンスがあれば動くことが予想されていた。

 ところが、エインジの口から出た言葉は意外にも「私は(大型トレードは)起こりそうにないと思う」というものだった。エインジはこう続けている。

 「我々のチームが人々に愛され、欲しがられる選手を多く抱えていることを私はうれしく思う。そう頻繁にあることではないから、とてもいい感触を得ている。我々のチームには数多くのタレントがいるということだからね。私はこのチームがどのように進化していくのかを楽しみにしている」。

 ヘイワードとカイリーが戦列復帰することもあり、セルティックスは確実に戦力アップして来季を迎えることができるだろう。来夏以降、ロジアーにブラウン、テイタムが制限付きFAになるため、今後も彼らをキープし続けることは難しいかもしれないが、来季は今季と同等の戦力で戦うこととなる。現状のセルティックスは、イースタン・カンファレンス制覇のみならず、優勝候補にも挙がる戦力を有していると言っていいかもしれない。

 「昨年のトレーニングキャンプの時点で、このチームはタイトルコンテンダーだと感じていた。私はこのチームを優勝候補ではなく、(覇権争いの)競争相手だと感じていたんだ」と語っており、エインジは現有戦力をもって優勝を目指す考えのようだ。

 ロースターに多少のマイナーチェンジがあるかもしれないが、テイタムやブラウン、ロジアーはさらに成長していく可能性を大いに秘めている。そのため、レブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ)がキャブスに残留しようと他チームへ移籍しようと、イーストではセルティックスがファイナル進出の大本命となる可能性が高い。

 ただし、エインジはこれまでにも周囲を驚かせるトレードを断行してきただけに、水面下でトレードを参画しているかもしれない。それでも、セルティックスの現状における戦力は、優勝を狙えるだけのレベルにあると言えるだろう。

オールスターのヘイワード(左)とカイリー(右)がラインナップに復帰する来季、セルティックスが目指すのは優勝のみだ[写真]=Getty Images

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