サンダー残留のポール・ジョージ「このチームのことを家族だと感じている」

サンダーというチームと信頼関係を構築したジョージ[写真]=Getty Images

1年前のトレードでサンダーへ移籍したことがジョージを大きく変えた

 現地時間7月1日のフリーエージェント(FA)交渉解禁日。大物FAの1人として大きな注目を集めていたポール・ジョージは、早々にオクラホマシティ・サンダーと4年1億3,700万ドルで再契約に合意した。

 カリフォルニア州パームデール出身のジョージは、幼い頃からロサンゼルス・レイカーズの大ファン。昨季終了後、当時所属していたインディアナ・ペイサーズに対して、「来年(18年)はこのチームと再契約はしない。レイカーズでプレーしたい」と爆弾発言。

 するとペイサーズは、昨年7月7日(同6日)にジョージをサンダーへトレード。ビクター・オラディポドマンタス・サボニスを見返りに獲得した。

 ジョージにとって、トレード先がサンダーだったことがその後の去就に大きな影響をもたらした。

昨年7月、オクラホマシティへ到着したジョージに対して、サンダーのファンが熱烈な歓迎[写真]=Getty Images

 現地メディア『ESPN』による“Paul George decision documentary”の第3部で、ジョージはこう語っている。

 「1年前、OKC(サンダー)へ行く前にレイカーズへ行きたかった。でも不運にもレイカーズへトレードされることはなかった。レイカーズは僕をつかみ取ることができなかったんだ。そして僕はオクラオマ(サンダー)にトレードされた。それは僕にとって美しいものとなったのさ」。

 今回のFA交渉において、ジョージとレイカーズは一度もミーティングの場を設けることはなかったという。それでもジョージにとって、レイカーズというチームは今後も故郷のチームであり続ける。

 「とてもストレスを感じていた。決して簡単な決断ではなかった。それでも僕は、ホームに戻って来てほしい、彼らの前でプレーしてほしいと望んだレイカーズという組織に100パーセント感謝している」とジョージが語っていたことからも、ホームへの思いが感じられる。

信頼関係を構築したジョージ擁するサンダーは、来季の覇権争いへ加われるか?

 だが、サンダーでプレーした1年間で、ジョージの考えは変わったという。

 「(サンダーは)オープンかつ正直で、じかに関わりを持つことができている。だから本物の信頼関係を維持できているんだ。すべてが本物だと僕は思った。サム(・プレスティGM)との関係もそうだし、ラス(・ウェストブルック)との結びつきもそうだ。僕はこのチームを家族だと感じているし、サンダーという組織を兄弟のように思っている」。

今季をとおして、ジョージ(左)はウェストブルック(右)と良好な関係を築いた[写真]=Getty Images

 サンダーの本拠地、オクラホマシティはスモールマーケットである。ニューヨークやロサンゼルス、シカゴのようなビッグマーケットと比較すると、これまでFA選手にとって人気があるフランチャイズでもなかった。

 それでも、選手同士、そしてチームの組織全体で密接な人間関係を構築し、強固な信頼関係へと発展させてきたということなのだろう。

 サンダーは今夏、ジョージとジェレミー・グラントとの再契約に成功しただけでなく、高い身体能力を誇るナーレンズ・ノエルとの契約にも成功。また、今季控えポイントガードを務めたベテラン、レイモンド・フェルトンとも1年240万ドルで再契約に合意した。

 その分、来季のサンダーはサラリーキャップをオーバーし、ラグジュアリータックスを支払う可能性も大いにある。だが、時間をかけて築き上げてきたチームケミストリーにメスを入れず、さらに新戦力を加えることを選択した。

 戦力保持どころか戦力増強となったサンダー。王者ゴールデンステート・ウォリアーズやヒューストン・ロケッツ、レブロン・ジェームズ加入のレイカーズなどに話題が集まりそうだが、サンダーの巻き返しも非常に楽しみである。

平均20得点以上を計算できるオフェンスだけでなく、プライドを持って取り組むディフェンスも評価が高いジョージ[写真]=Getty Images

モバイルバージョンを終了