2018.07.23
6月24日(現地時間23日)、現地メディア『ESPN』は、カーメロ・アンソニーがオクラホマシティ・サンダーに残留するだろうと報じた。
カーメロの契約は来季まで残っており、来季年俸は約2,793万ドル。これは現時点でリーグ11位に相当する高額年俸となる。今季終了後、カーメロはプレーヤーオプションで制限なしフリーエージェント(FA)になる権利を持っていたが、サンダーに残留することを選択。
キャリア15年目となった今季、カーメロは開幕前にニューヨーク・ニックスからトレードでサンダーに加入。今季はラッセル・ウェストブルック、ポール・ジョージに次ぐ3番目のオフェンスオプションとして迎えた。
カーメロは新天地で出場した78試合すべてに先発パワーフォワードとしてプレーし、平均16.2得点5.8リバウンド1.3アシストをマークするも、オールスター選出10度を誇るスコアリングマシンとしてのインパクトを残すことはなかった。
ルーキーシーズンから14シーズン連続で記録していた平均20得点以上は途切れ、フィールドゴール成功率もキャリアワーストの40.4パーセント、フィールドゴール試投数も平均15.0本、フリースロー試投数も平均2.5本と、ショットの項目では軒並み自己ワーストに。
ユタ・ジャズとのプレーオフ1回戦では平均5.7リバウンド1.7スティールを記録するも、得点面では11.8得点、フィールドゴール成功率37.5パーセントと精彩を欠いた。そのため、シリーズ終了後、34歳のベテランには、「来季はベンチスタートか?」といったウワサも流れていたのである。
だが、これには理由がある。カーメロはデンバー・ナゲッツとニックスでプレーしてきたこれまでのキャリアで、基本的にファーストオプションだった。それが今季は第3の得点源となったことでキャッチ&シュートが中心のジャンプシューターと化し、2月以降はフィールドゴール成功率がいずれも4割未満と不振だった。
カーメロは得意のジャブステップから見せるジャンパーやポストプレー、ドライブから得点することができるため、「俺はベンチスタートになるつもりはない。今季、俺がどれだけ自分を犠牲にしてきたことか」と口にし、自身への批判に対して反発した。
とはいえ、カーメロ残留によって、サンダーのサラリー総額が一気に膨れ上がったことは明白。ウェストブルックとスティーブン・アダムズとは2,000万ドル以上の契約を結んでいることから、現時点で来季のサンダーは、総額1億ドル以上を選手へ支払うこととなる。そのため、戦力補強にも影響を及ぼすことになりそうだ。
今年4月、サンダーのサム・プレスティGMはカーメロについてこのように語っていた。
「カーメロは今季、新たな役割の中ですばらしいプレーをしていた。ショットの配分を変え、キャリアの中で最も多くの3ポイントシュートを決めた。ターンオーバーではキャリア最少を記録していた」。
プレスティGMが指摘するように、今季のカーメロはキャリア最多となる169本の3ポイントシュートを成功。ターンオーバーでも平均1.3本と、自己最少の数字を残していた。本人のモチベーション次第ではあるものの、今季をとおして与えられた役割を来季も続けることができれば、より良い成績を残すことができるのかもしれない。
ただし、スコアラーとして高いプライドを持つカーメロが、どこまで我慢することができるのかは気になるところ。ポール・ジョージの去就はまだ不透明だが、残留するとなればカーメロが再び3番手のオプションとなる。
そこでもしカーメロが不満を爆発させてしまうと、チームは空中分解する恐れもある。来季前に、このベテランスコアラーとは役割の面で話し合い、マインドセットすることが必要になるだろう。
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