レブロン加入でウエストは強敵ばかりだが、王者はウォリアーズに変わりない
7月12日(現地時間11日)、現地メディア『USA TODAY Sports』が、ステフィン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ)とのインタビューを掲載した。
4年連続でNBAファイナルを戦ったレブロン・ジェームズのロサンゼルス・レイカーズ移籍、リーグトップクラスのセンター、デマーカス・カズンズ獲得などについてカリーが語っていたので紹介していこう。
まず、ウエスタン・カンファレンスに移ったレブロンに対しては「行動を起こしたことは彼にとって面白いことだね」と語ったカリー。レブロン擁するレイカーズは、ウォリアーズと同じパシフィック・ディビジョンに所属しているため、今季は3、4回対戦することとなる。カリーはこう続ける。
「8年連続でファイナルに出場している男(レブロン)が加わったことで、ウエストにおける競争はより激しくなる。僕らも含めて、全チームが警戒するだろうね。ファンにとってはとても楽しいものになると思うよ。レブロン加入によって、ウエストは明らかに強くなった。でも、相手チームは(2連覇している)僕らを倒さなければならないことに変わりはない」。
ただ、レイカーズが今季どうなるかについて聞かれると、「彼らがチームとしてどうなっていくかは分からないね。そもそも(レイカーズは)全く新しいチームであり、アイデンティティーさえ持ち合わせていないから」と答えたカリー。今はまだ様子を見ていこうという状況のようだ。
批判をモチベーションとして受け取り、3連覇達成なるか?
そのカリー率いるウォリアーズは、現在2連覇中なのだが、今オフにデマーカス・カズンズを破格の安さ(年俸530万ドル)で獲得。ケビン・デュラントとも再契約したことで、カリー、クレイ・トンプソン、デュラント、ドレイモンド・グリーン、そしてカズンズというオールスター5選手を擁する超豪華戦力となった。
そのため、ますます強くなるウォリアーズに対する批判は後を絶たない。カリーもネガティブな声を耳にしており、自身の見解をこう語っている。
「皆そろって『僕らがどれだけNBAを台無しにしていることか』と言ってくる。僕はこのフレーズが大好きさ。なぜって、これまでで最もばかげたフレーズだからさ。僕らはNBAを台無しにしているわけじゃない。僕らは常に、より良くなる方法を探そうとトライしている。もしチャンピオンシップを勝ち取ってハッピーだったら、そのまま現状維持で突っ立っているけれど、僕らはそうは思っていない。2016年夏にKD(デュラント)、今年はデマーカスを獲得して、ベンチメンバーもキープしてきた。僕らは皆、成長しようとしているだけなんだ」。
ウォリアーズは15年に優勝し、翌15-16シーズンにNBA史上最多勝記録となる73勝(9敗)を挙げるも、クリーブランド・キャバリアーズとのファイナルで3勝1敗からまさかの3連敗で失速して優勝を逃してしまった。するとリベンジを果たすべく同年夏にデュラントを獲得し、2連覇を達成。
今季ウォリアーズが目指すのは、00年から02年にかけてレイカーズが達成して以来、どのチームも成し遂げていない3連覇。そこでウォリアーズは新たな目標を達成するべく、カズンズ獲得というチャンスを活かして手に入れることとなった。
これにより、ウォリアーズは昨季平均25得点以上を挙げた3選手が同一チームにそろうという、史上初のチームとなった。カリーとデュラント(共に平均26.4得点)、そしてカズンズ(昨季平均25.2得点)は、まぎれもなくリーグ最高級のスコアラーである。
もっとも、ウォリアーズは決してなりふり構わずビッグネームばかりに手を出してきたわけではない。戦力増強には、ウォリアーズにおいて明確な理由があった。そしてカリーが言うように、年々チームケミストリーを醸成させ、選手それぞれが成長し、チームとしても進化を続けている。
ウォリアーズの選手やコーチ陣、フロントが批判に対して敏感になっているとは思えないが、それらを黙らせるには、やはり勝利しかない。机上ではリーグベストのロースターだが、今季優勝できる保障はまったくなく、昨季のように主力にケガが続出すれば、レギュラーシーズンだけでなく、プレーオフでもタフな状況に追い込まれる可能性もあるだろう。
そういったタフな状況の中で、脅威を増したこのチームが今季、どれだけ相手チームを圧倒できるのかは見ものだ。そしてウォリアーズが今季、3連覇を達成できれば、歴代屈指のチームとして確実に認知されるに違いない。