イースト制覇ではなく、ゴールはあくまで優勝と強調するエインジGM
8年連続でイースタン・カンファレンスを勝ち上がり、NBAファイナルへ進出していたレブロン・ジェームズがロサンゼルス・レイカーズへ移籍したことで、イーストの地盤沈下がささやかれている。
そんな中、ボストン・セルティックスのバスケットボール運営部門のエグゼクティブ・ディレクター兼GMを務めるダニー・エインジが、現在行われているサマーリーグにて、ボストンの記者たちへ現在の心境を語ったので紹介したい。
セルティックスは昨季イースト2位の55勝27敗を挙げ、プレーオフではレブロン率いるクリーブランド・キャバリアーズとのカンファレンス・ファイナルで、第7戦まで競い合ったチーム。
プレーオフを欠場したゴードン・ヘイワードとカイリー・アービングが復帰する今季は、セルティックスがファイナルに最も近いチームと言っていいかもしれない。ただ、セルティックスが見据えるのはあくまで優勝だとエインジは言う。
「イースタン・カンファレンスについて何を心配するって言うんだ? 私は本当に心配などしていない。我々はチャンピオンシップを勝ち取ろうとトライしている。だから(ファイナルで対決する可能性がある)レブロン相手にもプレーしなければならないんだ」。
ライバルはいるものの、万全な態勢ならばセルティックスがイースト制覇の最有力候補
ただし、イーストを勝ち上がることは決して簡単なことではないとエインジは続けた。
「私が思うに、イーストにはいくつもの優秀なチームがある。ワシントン(・ウィザーズ)とミルウォーキー(・バックス)は成長の見込みがあると私は見ている。トロント(・ラプターズ)は昨季、レギュラーシーズンにおいてはイーストでベストなチームだった。彼らはすばらしいチームだ。今季のイーストはタフになるだろう」。
ウィザーズ、バックス、ラプターズだけでなく、戦力増強に成功したフィラデルフィア・セブンティシクサーズとインディアナ・ペイサーズも、イースト上位に食い込んでくることが大いに予想できる。
今季のセルティックスはサラリーキャップを超過してラグジュアリー・タックスを支払う覚悟だという。そのため、制限付きフリーエージェント(FA)のマーカス・スマートとの契約も合意に向けて進めているようだ。
また、ヘイワードとカイリーについて、エインジは「彼らは共に健康な状態で、とても楽観的だと聞いている。コートでプレーしているくらいだからね。彼らはフルコートでバスケットボールをプレーできるようになるまで回復し、8月中にはボストンに戻ってくるだろう」と近況について明かした。
はたして、戦力充実のセルティックスは、今季こそ2010年以来となるファイナルへたどり着くことができるのか。このチームのロースターには十分な厚みがあり、ジェイソン・テイタムやジェイレン・ブラウン、テリー・ロジアーという成長株も在籍しているため、少なくとも昨季以上の戦力なのは間違いないだろう。
現有戦力に若手の成長がプラスされれば、セルティックスはイースト制覇における最有力候補と言っても過言ではない。