基本的にはグリズリーズ傘下のメンフィス・ハッスルでプレーすることが濃厚
7月21日(現地時間20日)、メンフィス・グリズリーズのクリス・ウォーレスGMが、渡邊雄太と2ウェイ契約を結んだことを発表した。
Yuta Watanabe (@wacchi1013) has been signed to a two-way contract.
Details ▶️: https://t.co/M1kEJlvGFY
— Memphis Grizzlies (@memgrizz) July 20, 2018
現地メディア『Grizzlies.com』のマイケル・ウォーレス記者によると、グリズリーズと渡邊の契約期間は2年になるという。
2ウェイ契約とは、通常の契約とは異なり、基本的にはGリーグ選手ながら、レギュラーシーズン中に、最大45日までNBAチームに所属することができるというもの。各チーム同時に2名まで契約ができる。
サラリーに関しては、Gリーグの契約7万5,000ドルに加え、NBAチームの所属日数に応じてNBAルーキーの最低サラリーの日割り分が支払われることになる。
渡邊は今後、グリズリーズの傘下であるメンフィス・ハッスルに所属することとなる。“NBAチームと正式に契約”というものではないのだが、NBA入りへ向けて大きなステップを踏み入れたと言っていい。
ラスベガス・サマーリーグでブルックリン・ネッツの一員としてプレーした渡邊は、5試合に出場し、平均24.0分9.4得点4.2リバウンド1.2アシスト1.6ブロックを記録。昨季まで所属していたジョージ・ワシントン大では、4年次に平均36.6分16.3得点6.1リバウンド1.6アシスト1.6ブロックを残し、A-10(アトランティック10)における最優秀ディフェンシブプレーヤー賞を獲得した。
高精度の3ポイントと万能なディフェンス力を発揮できればNBA入りも十分可能
ディフェンスと粘り強いプレーに重点を置くグリズリーズは昨季、司令塔マイク・コンリーの長期欠場をはじめケガ人に泣かされたこともあり、ウエスタン・カンファレンス14位となる22勝60敗に終わっていた。
とはいえ、グリズリーズは一昨季まで7年連続でプレーオフに出場してきた。今季はコンリーと万能かつアンセルフィッシュなセンター、マルク・ガソルを中心に、プレーオフ返り咲きを狙っている。
2ウェイ契約は昨季から導入されたのだが、NBAのコートに立って必ずプレーできるという保障はない。なかにはGリーグのみで終わった選手も複数おり、渡邊がグリズリーズの一員としてNBAのコートに立つ可能性は100パーセントではないというのが現状だ。
それでも、昨季ゴールデンステート・ウォリアーズでプレーしたクイン・クックのように、2ウェイ契約で入団後、正式に2年契約を結んでプレーオフに出場し、チャンピオンになったケースもある。
精度を高め続けている3ポイントシュートと、4つのポジションをガードできるディフェンスを武器とする“3&D”として、渡邊がコンリーとガソルらと共に、コート上を駆け回るシーンを見ることができる可能性は十分ありそうだ。
2004年にフェニックス・サンズの開幕ロースターに名を連ねた田臥勇太(現栃木ブレックス)に続く、日本人史上2人目となる快挙は、すぐそこまで近づいている。
そして渡邊には、試合に出場するだけでなく、コート上でインパクトを残し、息の長いNBAキャリアを送ることを期待したい。