グリズリーズがサマーリーグでネッツの一員として活躍した渡邊雄太と2ウェイ契約!

渡邊には、田臥に続く2人目の日本人NBAプレーヤー誕生を期待せずにはいられない[写真]=Yasushi KOBAYASHI

基本的にはグリズリーズ傘下のメンフィス・ハッスルでプレーすることが濃厚

 7月21日(現地時間20日)、メンフィス・グリズリーズのクリス・ウォーレスGMが、渡邊雄太と2ウェイ契約を結んだことを発表した。

 現地メディア『Grizzlies.com』のマイケル・ウォーレス記者によると、グリズリーズと渡邊の契約期間は2年になるという。

 2ウェイ契約とは、通常の契約とは異なり、基本的にはGリーグ選手ながら、レギュラーシーズン中に、最大45日までNBAチームに所属することができるというもの。各チーム同時に2名まで契約ができる。

 サラリーに関しては、Gリーグの契約7万5,000ドルに加え、NBAチームの所属日数に応じてNBAルーキーの最低サラリーの日割り分が支払われることになる。

 渡邊は今後、グリズリーズの傘下であるメンフィス・ハッスルに所属することとなる。“NBAチームと正式に契約”というものではないのだが、NBA入りへ向けて大きなステップを踏み入れたと言っていい。

 ラスベガス・サマーリーグでブルックリン・ネッツの一員としてプレーした渡邊は、5試合に出場し、平均24.0分9.4得点4.2リバウンド1.2アシスト1.6ブロックを記録。昨季まで所属していたジョージ・ワシントン大では、4年次に平均36.6分16.3得点6.1リバウンド1.6アシスト1.6ブロックを残し、A-10(アトランティック10)における最優秀ディフェンシブプレーヤー賞を獲得した。

ラスベガス・サマーリーグでは3ポイント成功率33.3%を記録した渡邊[写真]=Yasushi KOBAYASHI

高精度の3ポイントと万能なディフェンス力を発揮できればNBA入りも十分可能

 ディフェンスと粘り強いプレーに重点を置くグリズリーズは昨季、司令塔マイク・コンリーの長期欠場をはじめケガ人に泣かされたこともあり、ウエスタン・カンファレンス14位となる22勝60敗に終わっていた。

 とはいえ、グリズリーズは一昨季まで7年連続でプレーオフに出場してきた。今季はコンリーと万能かつアンセルフィッシュなセンター、マルク・ガソルを中心に、プレーオフ返り咲きを狙っている。

 2ウェイ契約は昨季から導入されたのだが、NBAのコートに立って必ずプレーできるという保障はない。なかにはGリーグのみで終わった選手も複数おり、渡邊がグリズリーズの一員としてNBAのコートに立つ可能性は100パーセントではないというのが現状だ。

 それでも、昨季ゴールデンステート・ウォリアーズでプレーしたクイン・クックのように、2ウェイ契約で入団後、正式に2年契約を結んでプレーオフに出場し、チャンピオンになったケースもある。

 精度を高め続けている3ポイントシュートと、4つのポジションをガードできるディフェンスを武器とする“3&D”として、渡邊がコンリーとガソルらと共に、コート上を駆け回るシーンを見ることができる可能性は十分ありそうだ。

206センチの高さと長さを活かしたディフェンスが渡邊の持つ大きな強み[写真]=Yasushi KOBAYASHI

 2004年にフェニックス・サンズの開幕ロースターに名を連ねた田臥勇太(現栃木ブレックス)に続く、日本人史上2人目となる快挙は、すぐそこまで近づいている。

 そして渡邊には、試合に出場するだけでなく、コート上でインパクトを残し、息の長いNBAキャリアを送ることを期待したい。

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