ウォリアーズから再建中のマブスへと環境を変えたハリソン・バーンズ「難しかった」

ここ2シーズン、マブスでトップスコアラーとして活躍しているバーンズ[写真]=Getty Images

キャリア初期のウォリアーズ在籍時に優勝を経験

 直近2シーズン、ダラス・マーベリックスでトップスコアラーとして活躍しているのがハリソン・バーンズだ。同期間でバーンズは、平均19.0得点を挙げており、マブスでエースを務めている。

 だが、昨季は24勝58敗でウエスタン・カンファレンス13位、一昨季は33勝49敗でウエスト11位と、プレーオフの舞台に立つことができていない。

 もともと、バーンズは2012年ドラフト1巡目全体7位でゴールデンステート・ウォリアーズに指名され、ルーキーシーズンからスモールフォワードのスターターを務めるほどの選手だった。

 15-16シーズンまで所属したウォリアーズでは、4シーズン連続でプレーオフ進出。15年には優勝を勝ち取り、最後となったシーズンではNBA新記録となる73勝9敗を挙げた主要メンバーに名を連ねた。

バーンズ(中央)はウォリアーズ在籍時、主軸として試合終盤もコートに立ち、勝利に貢献してきた[写真]=Getty Images

再建中のマブスでスコアラーとして活躍、今季はチームとしての飛躍に期待

 しかし、16年夏にフリーエージェント(FA)となったバーンズは、マブスと高額契約を結び、新たな環境に身を置いたのである。

 バーンズはここ2シーズンについて、現地メディア『ESPN』へこのように語っている。

 「(勝利しているチームから再建チームに移籍したから)難しいことさ。僕は(ウォリアーズの)プロセスにおいて、深く関わっていると思っていた。どれだけすばらしいチームが構築されてきているかも理解しようとしていた。毎晩どのように競争していくか、それに勝敗の差が何を示しているのかもね」。

 16年のNBAファイナルで、ウォリアーズはレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)、カイリー・アービング(現ボストン・セルティックス)を擁するクリーブランド・キャバリアーズに3勝1敗から屈辱の3連敗を喫して2連覇を逃してしまった。するとウォリアーズは、バーンズのポジションにリーグ最高級のスコアラー、ケビン・デュラントを獲得。再建中のマブスとは対照的に、ウォリアーズは現在、2連覇を達成している。

 「僕らは2年前に33試合、昨年は24試合に勝利してきた。そして5点差以内の試合で30敗した。少しの差で、ゲームの結果がどれだけ変わってしまうのかを何度も見てきたんだ。この2年で、僕は多くを学ぶことができたと思う」。

 そのマブスは今夏、FAで元オールスターセンターのディアンドレ・ジョーダンを獲得し、ドラフトで昨季のユーロリーグMVP、ルカ・ドンチッチを指名し、契約締結に成功。戦力増強した今季は、16年以来となるプレーオフ返り咲きを見据えている。

 バーンズ自身も今夏の補強には満足しており、今季に期待を膨らませている。

 「(チームの補強には)超エキサイトしている。新加入した選手たちは、すぐにでもコートでインパクトを残すことができる選手たちだ。僕らはきっと良くなるはずさ」。

 今季のマブスはジョーダンやドンチッチだけでなく、2年目を迎えるデニス・スミスJr.やベテランのウェスリー・マシューズ、さらには在籍21シーズン目となった40歳の大ベテラン、ダーク・ノビツキーも健在。バーンズ自身は、過去2シーズンほどの個人成績を残すことができないかもしれない。

 だが、個人成績がどれだけダウンしようとも、バーンズのプレーは精度が増していくに違いない。そして何よりも、この男が欲しているのはチームの勝利。今季は過去2シーズンよりも多くの勝ち星を手に入れることができそうだ。

ラスベガスで行われたアメリカ代表のミニキャンプに参加したことで、バーンズは刺激を受けたことだろう[写真]=Getty Images

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