2018.07.23

レイカーズ上層部が明かした“レブロンを加えたデス・ラインナップ”とは?

レイカーズ首脳陣は、レブロンをセンターに据えたスモール・ラインナップを考えているようだ[写真]=Getty Images
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ウエスト2強が重要な場面で用いるスモール・ラインナップ

 過去4年間で3度の優勝を飾ったゴールデンステート・ウォリアーズは、試合を決する重要な場面で、スティーブ・カーHCが“デス・ラインナップ(死のラインナップ)”と称したスモール・ラインナップを起用し、成功を収めてきた。

 15、16年はステフィン・カリークレイ・トンプソンアンドレ・イグダーラドレイモンド・グリーンハリソン・バーンズ(現ダラス・マーベリックス)、直近2年はバーンズに代わってケビン・デュラントが入り、リーグを席巻している。

ここ2シーズンは、グリーン(左)、カリー(中央)、デュラント(右)にトンプソンとイグダーラを加えたラインナップを駆使して2連覇を達成した[写真]=Getty Images

 ウォリアーズが誇る最強ラインナップは、5人全員がコート上を駆け抜けることができ、ドライブから3ポイントシュートまでこなし、複数のポジションをガードすることができる。そして一昨季からデュラントが加わったことで、ゲームメイクもこなせる5人をそろえてきた。

 昨季のウエスタン・カンファレンス・ファイナルでウォリアーズ相手に3勝2敗で王手をかけ、最終戦の末に敗れたヒューストン・ロケッツも、ディフェンス面を重視したスモール・ラインナップをぶつけて好勝負を演じた。

 ロケッツが送り出した5人はクリス・ポールジェームズ・ハーデンエリック・ゴードンPJ・タッカートレバー・アリーザ(現フェニックス・サンズ)だった。全員がゲームメイクをして高得点を挙げるわけではないものの、筋骨隆々な身体を誇り、“肉弾ディフェンス”でウォリアーズを苦しめたと言っていい。

アリーザ(左端)こそ退団したものの、残り4選手は今季も主力としてプレーするロケッツ[写真]=Getty Images

 それに対抗すべく、ロサンゼルス・レイカーズもロケッツのフィジカルなディフェンスを参考に、今夏は多くのフリーエージェント(FA)を獲得。現役最強プレーヤーと称されるレブロン・ジェームズをはじめ、ラジョン・ロンド、ランス・スティーブンソン、ジャベール・マギー、マイケル・ビーズリーといった、実績のあるベテランを獲得している。

 レブロンに続く2人目のスター選手獲得は今のところ実現できていないため、今季終了後(19年夏)にレイカーズは大物獲得へ動くことが濃厚だ。

 来夏、レイカーズの獲得候補として考えられるのは、デュラント、トンプソン、デマーカス・カズンズ(いずれもウォリアーズ)、ジミー・バトラー(ミネソタ・ティンバーウルブズ)、ケンバ・ウォーカー(シャーロット・ホーネッツ)、カイリー・アービング(ボストン・セルティックス)、カワイ・レナード(トロント・ラプターズ)。そのうちデュラントとバトラー、カイリー、レナードはプレーヤーオプションを破棄した場合に獲得候補となる。

レブロンをセンターに据えるレイカーズ版“死のラインナップ”

 おそらく、今季のレイカーズは現有戦力で戦い抜くことになるだろう。ウエストに所属するチームのエグゼクティブが「レイカーズが今季、プレーオフに進出できるとは思えない」と語ったように、レブロンがいるとはいえ、下馬評は決して高くはない。

 そんな中、レイカーズの上層部が『Bleacher Report』に興味深いことを語っていた。

 「初日から見ることはできないかもしれないが、コーチングスタッフは(ウォリアーズのような)デス・ラインナップを見たいと思っているはずだ。そのメンバーはロンゾ(・ボール)、ジョシュ・ハートブランドン・イングラム、(カイル・)クーズマ、そしてレブロンだ」。

 はたして、昨季ルーキーだったボールとハートにクーズマ、そして一昨季の新人イングラム、そしてレブロンで構成されるラインナップはうまくいくのだろうか? コート上にインパクトを与えて、ウォリアーズやロケッツのようなリーグのベストチーム相手に戦うことができるのか? そもそも、レブロンがセンターをプレーするのはどうなのか? といった声が聞こえてくるのは間違いない。

 昨季のレブロンは、まったくと言っていいほどセンターではプレーしていなかった。『Nylon Calculus』によると、コート上のレブロンがセンターでプレーした割合はわずか1.5パーセントだった。

 しかし、昨季のクリーブランド・キャバリアーズにおいて、最も生産的なラインナップはジョージ・ヒルJR・スミス、カイル・コーバー、ジェフ・グリーンにレブロンを加えた5選手だった。このメンバーではグリーンかレブロンがセンターのポジションを務めていたことがわかる。『NBA.com』によると、このラインナップはシーズンをとおして22分間しかプレーしていなかったものの、ネットレーティング(100ポゼッション当たりの得失点差)では+9.3というハイレベルな数値を残していた。

 もっとも、レイカーズ版のスモール・ラインナップは、レブロンと他4選手の経験と実績、そして実力に大きな差が生じていることは否定できない。それでも、レブロンが抜群のリーダーシップを発揮し、身体能力の高い若手選手を成長させ、さらにはインテンシティー(激しさ)を増すことになれば、リーグトップレベルのチーム相手に、一泡ふかせることができるのではないだろうか。

ラスベガス・サマーリーグの会場に現れたレブロン(最前列の右から3番目)。若手選手たちのプレーをどう見ていたか、気になるところだ[写真]=Getty Images

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