2018.05.15
プレーオフが幕を開けてから約3週間。5月7日(現地時間6日)終了時点で、カンファレンス・セミファイナルは、4カードすべてで王手をかけたチームが出てきた。
イースタン・カンファレンスではボストン・セルティックスとクリーブランド・キャバリアーズ、ウエスタン・カンファレンスではヒューストン・ロケッツとゴールデンステート・ウォリアーズだ。
特にウエストの2チームは、プレーオフに入ってから攻防両面において他を圧倒するパフォーマンスを見せている。
ここまでのところ、オフェンシブ・レーティングでロケッツが2位(110.3)、ウォリアーズは3位(109.1)にランクイン。両チームの爆発力を考えれば、トップに立ってもおかしくはないのだが、この2チームはディフェンス面でも非常に優秀な数字を残している。
ディフェンシブ・レーティングを見ていくと、出場チームのうち、トップはウォリアーズ(100.5)、2位にはロケッツ(100.9)が入っている。ウォリアーズは被フィールドゴール成功率42.7パーセント、被3ポイントシュート成功率31.2パーセントと、こちらも出場チーム中トップとなっており、まさに鉄壁と評されるディフェンスだ。
そのウォリアーズはニューオリンズ・ペリカンズとの第4戦で“the Death Lineup”と呼ばれるコアメンバー5人をスターターに起用。ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、アンドレ・イグダーラ、ケビン・デュラント、ドレイモンド・グリーンの5人である。コート上を走り回ることができ、全員が3ポイントシュートを決め、複数ポジションをガードできる選手たちで構成される驚異のラインナップと言っていいだろう。
このラインナップで臨んだペリカンズとの第4戦、ウォリアーズは118-92と圧勝し、3勝1敗でシリーズ突破に王手。プレーオフに入ってから、リーグトップレベルのディフェンス力を取り戻し、勝ち星を量産しているウォリアーズ。スティーブ・カーHCは、ウエスト決勝、そしてNBAファイナルを想定し、このラインナップをテストしていたのかもしれない。
ロケッツはユタ・ジャズとのシリーズで3勝1敗と王手をかけているのだが、このシリーズでは3ポイントシュート試投数の割合がフィールドゴール全体の40.7パーセントにすぎない。レギュラーシーズンでは50.2パーセント、ミネソタ・ティンバーウルブズとの1回戦でも49.3パーセントを誇った3ポイント攻勢ではなく、ディフェンス力でジャズを苦しめている。
ディフェンス巧者として知られるクリス・ポールやトレバー・アリーザ、PJ・タッカーをスターターに配置し、ジェームズ・ハーデンやクリント・カペラもフィジカルの強さを活かし、相手選手を疲弊させる肉弾ディフェンスを見せている。プレーオフに入ってからディフェンス力を高めていることは、優勝争いをするうえでも大きなプラスになるはずだ。
現在の戦績どおりに行くと仮定すれば、ウエスト決勝は今季リーグトップの65勝を挙げたロケッツと、昨年の覇者ウォリアーズという構図となる。このカードが実現すれば、おそらく“事実上のファイナル”と呼べるハイレベルな戦いとなるに違いない。
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