ニックス時代から約6年、ロケッツで再会したカーメロとダントーニHC
8月14日(現地時間13日)、ヒューストン・ロケッツが、10度のオールスター選出を誇るベテラン、カーメロ・アンソニーと正式に契約を結んだ。
カーメロはこれまでのキャリアの中で、オールスターやオリンピックなどでジェームズ・ハーデンやクリス・ポールと共にチームメートとしてプレーしたことがあり、特にポールとは仲が良い。
また、マイク・ダントーニHCとは、カーメロがニューヨーク・ニックス在籍時にヘッドコーチとして約1年間を共にし、2012年のロンドンオリンピックでもACとして加わったダントーニと金メダルを獲得してきた。ちなみにこの時のアメリカ代表では、ハーデンとポールもチームメートだった。
今回のロケッツ加入により、カーメロはダントーニHCと約6年ぶりにタッグを組むこととなった。ハーデンとポールを中心に、昨季リーグトップの65勝を挙げたロケッツの指揮官ダントーニは、カーメロのことをどう見ているのか。
ここでは8月14日(同13日)に現地メディア『USA TODAY Sports』に掲載された記事の中からダントーニHCのコメントをお届けしよう。
「ニューヨークでは、(デンバー・ナゲッツとのトレードでカーメロを獲得するために)数多くの選手を放出した。でも周囲は我々にチャンピオンシップを勝ち取ることを期待していた。現実的とは言えなかったね。だからとてもプレッシャーになっていたんだ」。
2011年2月23日(同22日)、ニックスとナゲッツ、ミネソタ・ティンバーウルブズの3チーム間で大型トレードが成立し、カーメロは故郷ニューヨークを本拠地に置くニックスへと移籍。それまで半年以上も続いていたカーメロのトレードに関するウワサ、いわゆる“メロドラマ”にようやく決着がついた瞬間だった。
当時のニックスには、リーグ屈指のビッグマン、アマレ・スタッダマイヤー(元フェニックス・サンズほか)がおり、カーメロとの超強力タッグとして期待されていた。さらにはカーメロと共に百戦錬磨のベテラン司令塔チャウンシー・ビラップス(元デトロイト・ピストンズほか)も加わったため、“ビッグ3”として注目が集まったことは言うまでもない。
だがダントーニHCも指摘したように、この大型トレードでニックスはダニーロ・ガリナーリ(現ロサンゼルス・クリッパーズ)やウィルソン・チャンドラー(現フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)、レイモンド・フェルトン(現オクラホマシティ・サンダー)など多くの選手を放出し、ロースターが約半数入れ替わる大手術を断行。
11年こそプレーオフに出場したものの、1回戦でボストン・セルティックス相手にスウィープ負けを食らって早々にシーズン終了。そして翌11-12シーズン途中、18勝24敗で低迷してしまい、ダントーニHCは解任されてしまった。
「(ニックス時代とは)まったく違う」とダントーニHC、打倒ウォリアーズへ期待大
だが今回は、ここ数年で形成してきたロースターの中に、カーメロが加入するというパターンであり、ニックス時代とは違うという。
「今回はまったく違うと私は思ってる。このチームには本当に多くのベテランがおり、我々はチャンピオンシップを勝ち取るという一つのことを共通の目標としてシェアされている。それに我々にはその可能性があるからね」。
ロケッツには昨季のシーズンMVPハーデンを筆頭に、ポールやエリック・ゴードン、クリント・カペラ、ネネといった主軸がおり、昨季はNBAファイナル進出まであと1勝まで迫る戦いぶりを見せていた。今夏、ロースターに多少の変更こそあったものの、3連覇を目指すゴールデンステート・ウォリアーズを下す可能性を最も秘めるチームと言ってもいいだろう。
そのため、ダントーニHCはカーメロ加入をポジティブに捉えている。
「今は皆が同じ目標へ向かってプレーしている。だから(ニックス時代よりも)うまくフィットするだろうね。きわめて良いチームになることができるチャンスがあると私は思う」。
カーメロは今夏、肉体改造に重点を置いてトレーニングしており、高いモチベーションを持ってトレーニングキャンプを迎えることが期待されている。ダントーニHCはカーメロをどのようにして起用するのか、そしてカーメロがどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。今からとても楽しみである。やはり今季のロケッツは、打倒ウォリアーズの一番手として挙げるべきではないだろうか。