リーグ有数の技巧派PFとしてオールスターに2度選出
8月31日(現地時間30日)、キャリア15年をプレーした38歳の大ベテラン、デイビッド・ウェストが自身のツイッター(@D_West30)を通じて現役を引退することを発表した。
「私は幸運にも、NBAでプレーするという幼い頃の夢を叶えることができた。15シーズン目を終えた今、バスケットボールから引退することを決断した。家族、友人、コーチ、チームメート、チーム、そしてファンの皆に支えてもらえて光栄だったし、感謝している。これまでのキャリアの中で自分に声援を送ってくれた人、自分を支えてくれた人、自分のために祈ってくれ、心優しい言葉をかけてくれた人に心から感謝している。自分の信念は譲れない。ありがとう!」。
2003年ドラフト1巡目18位でニューオリンズ・ホーネッツ(現ペリカンズ)から指名されたウェストは、206センチ113キロのパワーフォワード(PF)。3年目の05-06シーズンから先発に定着すると、平均17.1得点7.4リバウンド1.2アシストをマーク。巧みなポストプレーと高精度なミドルショットを中心に得点を重ねていった。
07-08シーズンにはクリス・ポール(現ヒューストン・ロケッツ)らと共にチームの主軸を担い、オールスターに初選出。ウエスタン・カンファレンス2位の56勝26敗という好成績を残し、主力としては初のプレーオフへと駒を進めた。
サンアントニオ・スパーズとのカンファレンス・セミファイナルで最終戦の末に敗れたものの、プレーオフをとおしてウェストはポールに次ぐ平均21.2得点に加えて8.5リバウンド2.8アシスト1.1スティール1.9ブロックをマークし、ホーネッツをけん引。
スパーズとのシリーズ初戦で30得点を挙げて勝利の殊勲者となったウェストだが、2勝2敗で迎えたスパーズとの第5戦で驚異的な活躍を見せた。背中の痛みを抱えながらゲームハイの38得点に14リバウンド5アシスト2スティール5ブロックをたたき出し、見事ホーネッツを勝利へと導いたのである。
試合後、ウェストは『NBA.com』へこう語っていた。
「自分の状態がどうであれ、バスケットボールチームとして、僕らはこのゲームがどれだけ重要なのかを理解していた。だから僕は良いプレーをしなければと思ってたんだ。良いプレーをするためにコートへ出て、思い通りのプレーができたね」。
ペイサーズとスパーズを経て、ウォリアーズに加入後2連覇を達成
ウェストは翌09年にもオールスターに選出され、リーグ有数の技巧派パワーフォワードとして活躍。11-12シーズンからはインディアナ・ペイサーズへと移籍。ペイサーズでは不動の先発パワーフォワードとして、ポール・ジョージ(現オクラホマシティ・サンダー)やジョージ・ヒル(現クリーブランド・キャバリアーズ)らと共に13、14年と2年連続でイースタン・カンファレンス・ファイナルまで勝ち上がり、レブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)やドウェイン・ウェイド(現未所属)擁するマイアミ・ヒートと激戦を演じた。
キャリア終盤、ウェストは15-16シーズンをスパーズでプレーし、翌16-17シーズンからゴールデンステート・ウォリアーズへ加入。ウォリアーズでプレーした直近2シーズン、ウェストのプレータイムはいずれも平均15分未満ではあったものの、高確率なショットとアンセルフィッシュなプレーで攻防両面において効果的な働きを見せ、2連覇に貢献。
キャリア15シーズンをプレーしたウェストは、通算1,034試合(うち先発は742試合)に出場し、キャリア平均28.2分13.6得点6.4リバウンド2.2アシストを記録。フィールドゴール成功率49.5パーセント、フリースロー成功率81.7パーセントという数字を残した。
幼い頃に抱いたNBA入りという夢を実現したウェストは、キャリアをとおして自ら磨き上げたスキルを存分に発揮してきた。献身的なプレーでチームの勝利に幾度も貢献した選手として、今後もファンの記憶に残り続けることだろう。