プレーオフ最多得点で現役トップの53得点を保持する小兵
9月15日(現地時間14日)、俳優兼コメディアンのケビン・ハートと共に“Cold as Balls”へ出演したアイザイア・トーマス(デンバー・ナゲッツ)が、自信満々に自身の実力について語った。
「僕はね、世界の中で見てもトッププレーヤーの1人なんだ。ポイントガードに限らずね」。
2011年のドラフト最下位(2巡目全体60位)でサクラメント・キングスに指名されたトーマスは、175センチながら筋骨隆々の肉体と身体能力、そして持ち前のシュート力を駆使し、徐々にリーグ有数のスコアリングガードとして台頭。
14-15シーズン途中にボストン・セルティックスへ加入したトーマスは、シックスマンとして平均19.0得点を挙げて自身初となるプレーオフ出場を果たすと、翌15-16シーズンから先発ポイントガードに定着した。
15-16シーズンに平均22.2得点6.2アシスト、16-17シーズンにはリーグ3位となる平均28.9得点5.9アシストをマークし、2年連続でオールスターに選出。17年のプレーオフではセルティックスをカンファレンス・ファイナルへと導く殊勲者に。
特に印象的だったのは、ワシントン・ウィザーズとのカンファレンス・セミファイナル第2戦。プレーオフ直前に妹を交通事故で亡くしたトーマスは、妹の誕生日となったこの日に神がかったパフォーマンスを披露し、第4クォーターと延長戦だけで29得点を奪うなど、キャリアハイとなる53得点をたたき出した。
この数字は現役選手でトップを誇っており、トーマスには驚異的な爆発力が備わっていることを全世界に誇示してみせた。17年のプレーオフ終了時点で、トーマスはリーグ有数の選手としてすばらしい存在感を放っていたことは間違いない。
昨季の汚名返上に燃えるトーマス、ナゲッツで完全復活なるか?
ところが、股関節の負傷に苦しんだ昨季はクリーブランド・キャバリアーズとロサンゼルス・レイカーズでプレーし、出場32試合(うち先発は15試合)で平均15.2得点にとどまり、不完全燃焼に。
そのトーマスは今夏、昨季の汚名返上を誓い、ナゲッツと1年契約。ベンチからリーダーシップと得点力を発揮する役割を与えられ、プレーオフ出場を懸けて今季に臨む。
1年以上も悩まされた股関節の負傷から解放され、再びリーグトップレベルのスコアリングガードとして活躍することが期待されるトーマスは、自信満々にこう続けた。
「僕が(ポイントガードで)1位なのは確かなこと。ステフ・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ)は…トップ5の中の1人ではあるだろうね。彼は極めて良い選手だから。僕以外でトップ5に入るのは、順位は付けられないけど、カリー、ラッセル・ウェストブルック(オクラホマシティ・サンダー)、ジョン・ウォール(ワシントン・ウィザーズ)、デイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)だね」。
カリー、ウェストブルック、ウォール、リラードはいずれもリーグを代表するポイントガード。トーマスがカイリー・アービング(ボストン・セルティックス)を入れなかったのは、昨年セルティックスからキャブスへとトレードされた交換相手だったからなのだろう。
といっても、現状で見れば、トーマスの評価はこの6人の中で最も低いと言わざるをえない。世界中にこの評価が間違っていることを証明するには、トーマス自身が再びトップレベルのパフォーマンスを取り戻す必要がある。
はたして、トーマスは再び強烈なインパクトを残し、ナゲッツをウエスタン・カンファレンス上位へと導くことができるのか。今季の活躍に期待したい。