現地メディアによるアワード予想、MVPはアデトクンボ対レブロンか?/NBA2018-19開幕特集①

MVP候補はアデトクンボ(左)とレブロン(右)に絞られた[写真]=Getty Images

世界最高のプロバスケットボールリーグ、NBAの2018-19シーズンが10月17日(現地時間16日)に幕を開ける。82試合という約半年におよぶレギュラーシーズンを前に、バスケットボールキングではカンファレンス プレビューや注目チーム、プレーヤーランキングなどをお届けしていく。

NBA2018-19シーズン開幕特集①
『Sports Illustrated』による主要アワード予想

 開幕特集の第1回は、『Sports Illustrated』の記者5名による主要アワード予想を紹介したい。MVP、新人王、最優秀シックスマン、MIP、最優秀ディフェンシブプレーヤー賞、最優秀ヘッドコーチ賞の有力候補は誰なのか。1つずつ見ていこう。
※チーム名は略称、同率の場合はファミリーネームのアルファベット順で掲載

■MVP(最優秀選手)
ヤニス・アデトクンボ(バックス):3票
レブロン・ジェームズ(レイカーズ):2票

チーム成績でリーグ上位に入ればどちらもMVPを獲得する可能性あり

 プレシーズンゲームを3勝1敗で終えたバックス。アデトクンボは3試合に出場し、いずれもチームトップとなる平均24.9分24.0得点11.7リバウンド5.7アシスト1.7スティール。一方のレイカーズは3勝3敗でプレシーズンを終え、ウォリアーズ相手に2連勝するなど良い終わり方でレギュラーシーズンへ。レブロンは3試合に出場、平均15.8分13.8得点4.8リバウンド3.8アシスト。フル稼働していない中、豪快なダンクや華麗なアシストなど随所にキングらしいプレーを披露。

 個人成績に関しては、両者ともにリーグ有数のスタッツを残すことが予想されるが、MVPを獲得するためにはチーム成績が何よりも重要。その点、3連覇を狙う王者ウォリアーズと同じパシフィック・ディビジョンに所属するレイカーズよりも、本命不在のセントラル・ディビジョンのバックスの方がディビジョントップの成績を残すチャンスがありそう。もしもバックスがディビジョンを制し、55勝前後を挙げることができるならば、アデトクンボが獲得する可能性は十分ありそうだ。この2人以外の候補を挙げるとすれば、今季限りでウォリアーズ退団がウワサされるケビン・デュラントか。3連覇を狙う王者において、自身の“ラストダンス”をMVPという最高の形で終えるべく、好成績をたたき出してくる可能性は十分ある。

王者ウォリアーズにはオールスター選手が多いものの、攻防両面で支配的なプレーができるデュラントの存在は不気味だ[写真]=Getty Images

■ROY(新人王)
ルカ・ドンチッチ(マーベリックス):3票
ディアンドレ・エイトン(サンズ):2票

万能戦士ドンチッチとビッグマンのエイトンによる一騎打ち?

 ドンチッチはプレシーズン4試合に出場し、平均15.0得点5.0リバウンド3.5アシスト1.5スティール1.2ブロック。ショットの精度も高く、オールラウンドなプレーを見せた。一方のエイトンは5試合に出場し、チームトップの平均18.2得点9.8リバウンド2.0ブロック。フィールドゴール成功率61.4パーセント、フリースロー成功率でも77.8パーセントと好調。シーズンをとおしてどれだけこの好調をキープできるかが新人王の行方を左右することになる。

■最優秀シックススマン賞
タイリーク・エバンス(ペイサーズ):1票
JJ・レディック(シクサーズ):1票
テリー・ロジアー(セルティックス):1票
デニス・シュルーダー(サンダー):1票
ルー・ウィリアムズ(クリッパーズ):1票

本命不在の混戦レース、ウィリアムズの2年連続受賞なるか?

 新加入のエバンスとシュルーダー、今季はベンチスタートが予想されるレディック、昨季と同様にベンチスタート起用のロジアーとウィリアムズによる混戦レース。昨季の受賞者ウィリアムズは、今季も高得点を奪うことが役割となるだろうが、今季はダニーロ・ガリナーリがケガから復帰し、トバイアス・ハリスと共に高得点を挙げることが期待できるため、2年連続は厳しいか。

 この予想で票を得た5選手が所属するチームは、いずれも勝率5割以上が期待できる。そのため、ベンチスタートでどれだけ勝利に貢献し、インパクトのあるスタッツを残すことができた選手が今季の最強シックスマンに選出されるに違いない。

■MIP(最優秀躍進選手賞)
ジャマール・マレー(ナゲッツ):2票
ブランドン・イングラム(レイカーズ):1票
マイルズ・ターナー(ペイサーズ):1票
デリック・ホワイト(スパーズ):1票

3年目を迎えるマレーが一番人気だが…

 2票を得たマレーは昨季平均16.7得点を挙げており、MIPとなるとさらなる得点面の上積みがマスト。だがナゲッツには得点力のある選手が多く、アイザイア・トーマスが戦列復帰すればさらにチームの得点が分散するため、決して本命とは言えないだろう。

 そのほかの候補者を見てみると、ホワイトはかかとを痛めて約1か月の戦線離脱が予想されており、ターナーが所属するペイサーズも選手層が厚く、飛躍的にスタッツをアップさせる可能性は低そう。そのため、「オールスターになりたい」と公言するイングラムが、レブロン・ジェームズを筆頭とするベテランたちの下で飛躍を遂げてMIPを獲得するかもしれない。

プレシーズンではチームトップの平均17.4得点を記録したイングラム[写真]=Getty Images

■最優秀ディフェンシブプレーヤー賞(DPOY)
アンソニー・デイビス(ペリカンズ):2票
ルディ・ゴベア(ジャズ):2票
ジョエル・エンビード(シクサーズ):1票

最もディフェンスに特化するゴベアが有利か

 昨季の同アワードの最終候補に入った3選手が今季も有力候補として挙がった。デイビスとエンビードは攻防両面でリーグ有数の実力を持っており、ゴベアと比較するとゲームにおける影響力は大きい。ただし、この賞に選出されてきたのはディフェンスに特化してきた選手が多いため、昨季の受賞者ゴベアが有利と見ていいだろう。

ディフェンス面においてもインパクトを放つエンビード。イーストを支配するほどの活躍を見せれば、受賞する可能性はあるだろう[写真]=Getty Images

■最優秀ヘッドコーチ賞(COY)
ブラッド・スティーブンズ(セルティックス):3票
クイン・スナイダー(ジャズ):1票
エリック・スポールストラ(ヒート):1票

イーストトップの成績を残せばスティーブンズの初受賞が濃厚

 就任6シーズン目を迎えたスティーブンズHCが率いるセルティックスは、リーグでも指折りの豪華戦力をそろえており、ディフェンス重視という観点から見ても、大崩れすることはなさそう。リーグトップの成績でなくとも、イースト首位を死守できれば最も受賞する可能性が高い。

 対抗はやはりスナイダーHCが指揮するジャズだろう。ウォリアーズやロケッツ、サンダーといった強豪がそろうウエストで、上位陣に食い込むことができれば可能性は決してゼロではないだろう。

モバイルバージョンを終了