世界最高のプロバスケットボールリーグ、NBAの2018-19シーズンが10月17日(現地時間16日)に幕を開ける。82試合という約半年におよぶレギュラーシーズンを前に、バスケットボールキングではカンファレンス プレビューや注目チーム、プレーヤーランキングなどをお届けしていく。
NBA2018-19シーズン開幕特集⑥注目チーム10選 Vol.2
ボストン・セルティックスが見据えるフランチャイズ史上18度目の優勝
今季の注目チーム第2弾は、イースト優勝候補の一番手セルティックス。今季は2010年以来初のファイナル進出、そしてNBA史上最多を更新する18度目の優勝を視野に入れて開幕を迎えることとなる。まずは今オフの動向をチェックしていこう。
※データは現地時間10月14日現在、G=ガード、F=フォワード、C=センター、FA=フリーエージェント
■新加入
PJ・ドジャー(G-F/2way)
ウォルター・レモンJr.(G/2way)
ブラッド・ワナメイカー(G)
ロバート・ウィリアムズ(C-F)
■残留
アーロン・ベインズ(F-C)
ジャバリ・バード(G)
ジェイレン・ブラウン(F)
ゴードン・ヘイワード(F)
アル・ホーフォード(F-C)
カイリー・アービング(G)
マーカス・モリス(F)
シェミ・オジェレイ(F)
テリー・ロジアー(G)
マーカス・スマート(G)
ジェイソン・テイタム(F)
ダニエル・タイス(F)
ガーション・ヤブセレ(F)
■退団
カディーム・アレン(G/ニューヨーク・ニックス)
アブドゥル・ネイダー(F/オクラホマシティ・サンダー)
ジョナサン・ギブソン(G/青島イーグルス)
シェーン・ラーキン(G/アナドル・エフェス)
グレッグ・モンロー(C-F/トロント・ラプターズ)
■予想スターター
PG>カイリー・アービング
SG>ジェイレン・ブラウン
SF>ゴードン・ヘイワード
PF>ジェイソン・テイタム
C>アル・ホーフォード
カイリー、ヘイワードが戦列復帰して万全の戦力がそろう
昨季新加入したカイリーとヘイワードがケガのためプレーオフ全休が発表された時、多くの人たちはセルティックスがプレーオフで早期敗退すると予想したに違いない。
ところが、献身的なビッグマン、ホーフォードを中心に、ブラウンやテイタム、ロジアーがステップアップし、モリス、スマート、ベインズらが効果的な働きをしてセルティックスは快進撃を見せた。イースト決勝まで勝ち上がり、クリーブランド・キャバリアーズに第7戦の末に惜敗。ファイナル進出まであと1勝に迫る奮闘で、強烈なインパクトを残した。
知将ブラッド・スティーブンズHCの下、ボールムーブを多用したオフェンスと組織だったディフェンスにより、コートに出る選手がそれぞれの役割を果たして活躍できるシステムは見事なもので、昨季のプレーオフにおけるサプライズの一つとなった。
今季のセルティックスにはカイリーとヘイワードという2人のオールスター選手が戻ってくるのだから、イーストの優勝候補筆頭と評されて当然と言える。
ウエストの強豪とも渡り合える今季、優勝のカギを握るのはやはりカイリー
そんなセルティックスのロースターには、キャリア10年以上の経験を持つベテランはホーフォード(11年)のみで、8年のヘイワード、7年のカイリーとモリス、6年のベインズが続いている。カイリーは16年にキャブスで、ベインズは14年にサンアントニオ・スパーズで優勝した経験を持つ。
中でも今季、セルティックスがプレーオフを勝ち上がるうえでカギを握るのはカイリーだろう。王者ゴールデンステート・ウォリアーズ相手にも臆せず、積極果敢にチームをけん引するスコアリングガードは、「シーズン中に(優勝というゴールに向けて)僕はすべてのことを並行してやっていく。その中で、僕らはもっとコミュニケーションを取っていく必要がある。なぜならゴールデンステートを除いて、チャンピオンシップチームになるチャンスがあるのは、ほんの数年しかないのだから」と語っており、今季に懸ける思いは強い。
カイリーはシーズン中やプレーオフにおいて、苦しい場面でも独力でディフェンス陣を打開し、バリエーション豊富なショットで得点を量産できるだけでなく、勝負どころでも最大限の力を発揮できる強心臓の持ち主でもある。
セルティックスは今季、カイリーとヘイワードをラインナップに加え、プレーオフを前にレギュラーシーズンをどのように戦い、どうやって優勝というゴールへ向けてコミュニケーションを強化していくかが課題となる。
今季終了後に制限付きFAになるロジアーをはじめ、今後はブラウンやテイタムといった若手選手との契約延長が控えていることを考慮すると、現有戦力で優勝を狙うことができるのは今季が最初で最後になってしまう可能性もある。だからこそ、カイリー率いるセルティックスには最高の結果を残してほしいものだ。