キャリア21年目のビンス・カーターがNBA史上22人目となる通算2万5,000得点を突破

キャリア通算2万5,001得点に到達したカーター[写真]=Getty Images

現役最年長の41歳がボースハンドダンクを決めて快挙達成

 11月22日(現地時間21日)に行われたトロント・ラプターズ対アトランタ・ホークス戦。ゲームはリーグトップの成績を誇るラプターズが124-108で制し、3連勝を飾った。

 この試合の終了間際、ホークスの新人ケビン・ハーターがオフェンシブ・リバウンドをもぎ取り、キャリア21年目の大ベテラン、ビンス・カーターへパスをつなぎ、残り0.5秒にカーターがダンクをたたき込んだ。

これまでのキャリアで幾度も観客を熱狂させてきたダンクで快挙達成となったカーター[写真]=Getty Images

 カーターはラプターズ戦で14得点をマークし、通算得点で2万5,000得点に到達。この試合を終えてカーターは2万5,001得点となり、NBA史上22人目の快挙を達成。

 「僕にとってすごい瞬間になったね。長い間やっていれば、プレーしたいし、自分にできる限りたくさんのことを成し遂げたいと思うものさ」と試合後にカーターは『ESPN』へコメントしている。

 第4クォーター残り2分28秒。すでにゲームの決着がついていた場面だったのだが、ホークスのロイド・ピアースHCはカーターをコートに送り出した。ピアースHCはこう振り返っている。

 「私は当初、そうしたくはなかったのだが、そうすべきだと思ったんだ。我々はビンスをコートに送り出し、記録を達成してほしかったのさ。ビンスにとっても、NBAにとってもすばらしい夜になったんじゃないかな。21シーズンという長い期間をプレーしている男が、2万5,000得点というとてつもない得点を積み重ねてきたのだから」。

 対戦相手となったラプターズは、カーターがキャリア初期の約6シーズン所属したチーム。ラプターズ在籍7シーズン目のカイル・ラウリーはカーターをこう称えた。

 「2万5,000得点という見事な記録を達成したんだから、NBAでプレーする選手たちは皆、彼に脱帽しているさ。ビンスは最高の男であり、最高のチームメートですばらしい人間性を持ってる。彼はこのような称賛を浴びるに値すると思ってるよ。きっと皆が喜んでるんじゃないかな。(記録達成のショットを)ボースハンドダンクで締めたんだからなおさらさ」。

 だが意外にもカーターは「なんだかいろんな感情が複雑に入り混じってる。これまでNBAでプレーしてきた何千という選手たちの中でも、このようなエリートな部類に入ることができるなんて、今でも信じられないんだ」と、記録達成直後はどこか恥ずかしがるように現状を明かしていた。

20年以上のキャリアの中でも“間違いなく格別な瞬間”と振り返ったカーター

 現役最年長となる41歳のカーターは、今でもプレーを楽しんでいる。「僕は今でもバスケットボールを愛している。プレーすることが大好きなんだ。ゲームでプレーするための準備、シーズンに臨むための準備もね。この年齢でプレーすることについて『何か秘密があるのか?』と聞かれることがあるんだけど、僕としてはゲームでプレーするために必要とされることなら、何だって喜んでできるということがその答えさ」とカーターは言う。

 もっとも、キャリア8チーム目となるホークスで、NBA史上有数の快挙を達成したのだから、カーターもこの日に成し遂げた快挙について自身をこうほめた。

 「これまでに21人しか達成できなかった偉業の1つを僕は成し遂げることができた。だから間違いなく格別な瞬間さ」。

 今季限りで現役を引退することが濃厚とウワサされるカーター。41歳の今でも屈託のない笑顔を垣間見せるレジェンドのプレーに、今後も注目していきたい。

カーターの笑顔は、全身でバスケットを楽しんでいることを感じさせる[写真]=Getty Images

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