ニックスが誇るレジェンド、リードとユーイング以来の好成績を残したカンター
ニューヨーク・ニックスは直近13試合で12敗を喫しており、現在は泥沼の7連敗中。9勝28敗でイースタン・カンファレンス14位と苦しんでいる。
12月30日(現地時間29日)に行われたユタ・ジャズ戦では、前半を終えて37-71とほぼダブルスコアをつけられてしまい、最終スコア97-129の32点差で惨敗。
チーム2位の平均14.3得点、チームトップの10.6リバウンドを記録するキャリア8シーズン目のビッグマン、エネス・カンターはジャズ戦後に『ESPN』へチームへの不満を爆発させた。
カンターは今季、先発と控えを交互に繰り返していたものの、ここ2試合は2年目のルーク・コーネットが先発出場し、平均18.5得点4.5リバウンド5.0アシスト。3ポイントを放つ“ストレッチ5”として2試合で計11本を決めており、64.7パーセントという好成績を残している。
その一方で、ポストプレーとミドルレンジジャンパーを中心に得点を稼ぐカンターは、ベンチスタートでプレータイムはいずれも18分未満。ジャズ戦ではフィールドゴール6本すべてをミスしてしまい、無得点に終わっていた。カンターは自身に与えられた新たな役割に納得できないという。
「俺には理解できない。シーズン中に俺が拒絶されるなんて早すぎるだろ。(今季の)俺のゴールはコートに出てオールスターになれるようにトライすることなんだ。だが、今の状況を見てくれよ。何もできやしない。ポジティブにいなきゃいけない。今はただ、ポジティブにいることしかできないんだ」。
11月26日(同25日)のメンフィス・グリズリーズ戦で、カンターは21得点にキャリアハイの26リバウンドを奪う大暴れを見せて勝利の立て役者になるなど、主力としてプレーしてきた。
なお、この26リバウンドというのは今季リーグハイの本数となっている。さらに、ニックスの選手としてはここ50年で3人目となる20得点25リバウンド以上という快記録も達成。ほかの2人がいずれもバスケットボール殿堂入りを果たしたウィリス・リード(元ニックス)とパトリック・ユーイング(元ニックスほか)だったことからも、カンターはどれほどの偉業を達成したかがわかるはずだ。
若手の成長を促す方針に理解を示すも、プレーできない苛立ちは募るばかり
それだけに、現在のチーム不振にはカンターも苦々しい思いをしていることを明かした。
「(こんな状況になってしまって)恥ずかしいね。アウェーだろうがホームだろうが関係ない。40、50点もリードを許していたんだ。すごく恥ずかしい。チームが若手に経験を積ませて成長させようとしているのは理解している。でも(チームの大敗を)見るのはつらい。俺はポジティブに、若手の成長を手助けしようとトライしている。だがさっきも言ったように、なんで俺を使わないのかが理解できない」。
スイス出身のカンターは26歳。今季の年俸はチームトップの約1,862万ドル(約20億4,820万円)で、今季終了後には制限なしフリーエージェント(FA)となる。来季以降の契約を締結するためにも、カンターが自身の価値をコートで表したいと思うのは当然だろう。
「俺はただコートに出て、バスケットボールをプレーしたいだけなんだ。俺は勝ちたい。どうして彼らが俺を使おうとしないのか、理解に苦しむね。スターターだろうがベンチだろうが、俺はコートに出て試合に勝ちたいんだ。NBA選手というのは、コートに出たらどんな状況だろうがすべての瞬間を戦い抜くことが仕事だと俺は思ってる。俺はそれがしたいだけなんだ」。
はたして、カンターの思いはデイビッド・フィズデイルHCをはじめ、ニックスのフロント陣へ届くのか。今後の動向が気になるところだ。