オールスター級の成績でマジックをけん引する多才なビッグマン
キャリア8シーズン目の今季、オーランド・マジックのビッグマン、ニコラ・ブーチェビッチは自己最高のシーズンを送っている。
1月15日(現地時間14日)終了時点でブーチェビッチは平均30.8分のプレータイムながら20.1得点11.9リバウンド3.8アシスト1.0スティール1.1ブロックを記録。フィールドゴール成功率52.6パーセント、3ポイント成功率38.0パーセントと、軒並み自己ベストの成績だ。
マジックは現在19勝24敗でイースタン・カンファレンス9位。8位のシャーロット・ホーネッツ(20勝23敗)とは1.0ゲーム差となっており、2012年を最後に遠ざかっているプレーオフ出場のチャンスも残されている。
そんな中、今季からマジックの指揮官に就任したスティーブ・クリフォードHCが、『SiriusXM’s The Starting Lineup』から「ブーチェビッチはオールスター選手になることができると見ているか」との問いに「もちろんだ」と回答。クリフォードHCはブーチェビッチをこのように評した。
「彼は私が思っていたよりもずっとずっといいディフェンダーだった。とてもスマートだし、ピック&ロールのディフェンスも良くなっている。それにいつだって彼は有能なディフェンシブ・リバウンダーだ。そしてすごく激しい闘争心を持っている」。
マジックは今季、ディフェンス面においても向上している。昨季のディフェンシブ・レーティング(100回のディフェンスにおける失点)はリーグ20位(109.5)だったものの、今季はリーグ14位(108.4)まで上昇。昨季3勝5敗と負け越した3点差以内の接戦でも、今季はここまで5勝4敗と勝ち越しており、より粘り強いチームへと化していると言っていいだろう。
クリフォードHCはブーチェビッチのディフェンス面における働きも評価していた。
「彼は得点とリバウンドで好成績を残すだけの選手ではないんだ。我々のディフェンスが向上した中で重要な部分を占めている。それに彼がコートにいることで、相手チームへ強烈なプレッシャーを与えている。彼はセンターだが3ポイントを決めることができるし、ポストアップもうまい。(ほかの選手との)最も大きな違いは、彼が幅広いシュートレンジを持っていて、シュートとパスの両方を繰り出せることなんだ」とクリフォードHCは言う。
1月11日(同10日)に発表されたオールスターのファン投票途中経過第2弾において、ブーチェビッチはイーストのフロントコート部門で10位以内に入っていないため、スターター選出は現実的に厳しい。
となると、ブーチェビッチがオールスター入りするためには、ヘッドコーチ投票によるリザーブ選出がポイントとなる。イーストのフロントコート部門において、ブーチェビッチのように平均20得点11リバウンド以上を残しているのはジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)とヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)のみ。この2選手はスターター枠の選出が濃厚なため、ブーチェビッチにもチャンスはあるはずだ。
あとはチーム成績を勝率5割前後、できればイースト8位以内に入り込むことができれば、キャリア初のオールスター選出も決して不可能ではないだろう。