2月18日(現地時間17日)に迫った「NBAオールスターゲーム2019」。今年もイースタン・カンファレンスとウエスタン・カンファレンスによるゲームではなく、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)がキャプテンを務める「TEAMヤニス」と、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)がキャプテンを務める「TEAMレブロン」というオリジナルチームの対決という形で行われる。そこでバスケットボールキングでは、今年のオールスター出場選手を紹介していく。
※チーム分けのドラフトは2月8日(同7日)のため、リザーブ選手を順に紹介
■オールスター出場選手④
ニコラ・ブーチェビッチ(オーランド・マジック)
センター/213センチ/117キロ/キャリア8年目
Twitterアカウント:@NikolaVucevic
Instagramアカウント:公式アカウントなし
<NBAにおける主な記録・功績>
オールスター選出:1回(2019)
<2018-19シーズン 個人成績>
平均31.3分20.7得点12.0リバウンド3.8アシスト1.2ブロック
※2月4日(現地時間3日)終了時点
自己最高の個人成績を記録中、ディフェンス面でも向上したビッグマン
フィラデルフィア・セブンティシクサーズでルーキーシーズン(11-12)をプレーし、51試合で平均15.9分5.5得点4.8リバウンドと、控えビッグマンとしてまずまずの成績を残したブーチェビッチは、12年8月に成立したドワイト・ハワード(現ワシントン・ウィザーズ)が中心となった4チーム間のトレードでマジックへと移籍。
するとブーチェビッチは、翌12-13シーズンからはマジックの先発センターに定着。12年を最後に、マジックは昨季までプレーオフに進出することはなかったものの、ブーチェビッチは毎シーズン平均ダブルダブル級の成績を記録。その間、何度もトレードのウワサに上がる中、ブーチェビッチはひたむきにプレーしてきた。
そしてスティーブ・クリフォードHCが就任した今季、ブーチェビッチは3ポイントやディフェンスでも向上し、マジックに不可欠なビッグマンへと成長。キャリア8シーズン目の今季は主要項目で軒並み自己最高の成績を残している点も評価されて、自身初のオールスター選出までたどり着いた。
チームは1月に5勝11敗と負け越してしまったものの、4日(同3日)終了時点でイースタン・カンファレンス11位(22勝31敗)と踏ん張っており、プレーオフ出場圏内となる8位のマイアミ・ヒートとは3.0ゲーム差。ブーチェビッチとしては、ルーキーシーズン以来初のプレーオフ出場も見据えているに違いない。
マジックの選手がオールスターに選出されたのは、12年のハワード以来初。ブーチェビッチとしても、ヘッドコーチ投票によってリザーブ枠で選出されたことは、これまでの努力が報われた結果だったのだろう。2月1日(同1月31日)のインディアナ・ペイサーズ戦が行われた日にこのことを知ったブーチェビッチは、『AP』へこう語っていた。
「今日は本当に、感情的な夜になった。何年もの間、どれだけ僕が努力してきたかを思い浮かべるのは難しいね。でもそれが報われたんだから、すごくうれしい。これこそ本物の自己犠牲ってやつさ。チームメートたちとコーチとこの思いを共有したいね」。
チームメートのDJ・オーガスティンは、今季平均20.7得点12.0リバウンドを記録するブーチェビッチについて「彼は毎晩、どんなことがあろうとやってのける。だからこそオールスターに選ばれたんだ。リーグの多くの選手たちは、(ブーチェビッチのように)毎晩こういう活躍はできないものさ」と絶賛していた。
3日(同2日)には、イースト6位のブルックリン・ネッツ相手に快勝を収め、2連勝となったマジック。この試合でブーチェビッチはゲームハイの24得点に12リバウンド4アシスト3ブロックをたたき出し、勝利に大きく貢献。
「今日の僕らはディフェンス面で本当にいいゲームができた。ジョナサン(・アイザック)と僕が相手チームのショットを妨害し、タフなショットへと持ち込むことができたからね」と、ブーチェビッチは若手のアイザック(同試合で12リバウンド3スティール3ブロック)についても称賛。ディフェンス面でもプライドを持って取り組んでいる今季のブーチェビッチは、オールスター選出に値する見事なパフォーマンスを見せている。
<オールスターモーメント>
2年目にライジングスターズへ出場し、ベンチから15得点を奪取
キャリア2シーズン目の12-13シーズンに、ライジングスターズへ出場。当時の同イベントは、チャールズ・バークリー(元フェニックス・サンズほか)がセレクトした「TEAMチャック」と、シャックことシャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズほか)がセレクトした「TEAMシャック」による対決だった。
ブーチェビッチは「TEAMチャック」の一員としてベンチから約20分出場し、15得点4リバウンドをマーク。この年は「TEAMチャック」が163-135で「TEAMシャック」に圧勝し、ケネス・ファリード(現ヒューストン・ロケッツ)がゲームハイの40得点に10リバウンドを挙げてMVPを獲得している。