2月18日(現地時間17日)に迫った「NBAオールスターゲーム2019」。今年もイースタン・カンファレンスとウエスタン・カンファレンスによるゲームではなく、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)がキャプテンを務める「TEAMヤニス」と、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)がキャプテンを務める「TEAMレブロン」というオリジナルチームの対決という形で行われる。そこでバスケットボールキングでは、今年のオールスター出場選手を紹介していく。
■オールスター出場選手⑱ TEAMヤニス
ケンバ・ウォーカー(シャーロット・ホーネッツ)
ガード/185センチ/83キロ/キャリア8年目
Twitterアカウント:@KembaWalker
Instagramアカウント:@_kw15
<NBAにおける主な記録・功績>
オールスター選出:3回(2017~19)
<2018-19シーズン 個人成績>
平均34.5分25.1得点4.3リバウンド5.7アシスト1.2スティール
※2月11日(現地時間10日)終了時点
スターター枠の球宴選出に「本当に信じられない瞬間」と歓喜したケンバ
新たな指揮官にジェームズ・ボレーゴHC、バックアップには百戦錬磨の経験を誇るトニー・パーカーを迎えた今季、ケンバは序盤にリーグで最もインパクトのある活躍を見せた選手の1人となった。
ミルウォーキー・バックスとの開幕戦で7本の3ポイント成功を含む41得点を奪うと、続くオーランド・マジック戦では3ポイント5本を決めるなど26得点、そして3試合目となったマイアミ・ヒート戦ではまたもや7本の長距離砲を突き刺し、39得点の大暴れ。
ホーネッツが誇る“小さな巨人”の大活躍もあり、ホーネッツは開幕3戦を2勝1敗で終え、ケンバは開幕第1週の週間最優秀選手に選ばれた。
期間中、ケンバはリーグトップとなる平均35.3得点と3ポイント成功数(平均6.3本)に加え、3.0リバウンド5.3アシストをマーク。フィールドゴール成功率(48.7パーセント)、3ポイント成功率(50.0パーセント)共に絶好調。
開幕3試合における3ポイント成功数で、09-10シーズンにニューヨーク・ニックスのダニーロ・ガリナーリ(現ロサンゼルス・クリッパーズ)が記録した18本を上回るリーグ新記録(19本)を樹立。また、ヒート戦の第3クォーター途中には、フランチャイズ史上初となる通算1万得点に到達。28歳にしてホーネッツのフランチャイズプレーヤーへと飛躍を遂げた。
さらに、11月18日(同17日)のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦で、延長にもつれる激戦となる中、ショットの雨を降らせ続けたケンバ。後半だけで35得点をマークするなど、キャリアハイの60得点。
チームはジミー・バトラーの決勝弾の前に惜敗するも、ケンバがホームのスペクトラム・センターで見せたスコアリングショーは大きな話題を呼んだ。
ケンバは負けず嫌いな男として知られている。コネチカット大でプレーした3シーズンのうち、2度のNCAAトーナメント出場、1年目はファイナル4(準決勝)、3年目にはトーナメント優勝を果たし、最優秀選手にも輝いた勝負師だからだ。昨季途中には「プレーオフに出場できないなんて、もううんざりだ」と現地メディアへもらすなど勝利への執念はすさまじい。
シクサーズ戦を終えて「この場所でとんでもないことを成し遂げた自分のことを誇りに思う」と『AP』へ明かしたケンバは、「僕らは負けてしまった。僕は頭にきている。僕は競争心の塊なんだ。勝つことができていれば、もっとうれしかっただろうな」と語っていた。
ケンバ率いるホーネッツは、連勝と連敗を繰り返す時期もあったが、11日(同10日)終了時点で27勝28敗。勝率5割には届いていないものの、イースト7位につけている。現時点で3年ぶりのプレーオフ出場は確約されてはいないが、過去2シーズンと比較すれば大いにチャンスがある状況にいることは間違いない。
自身はキャリアハイの得点を稼ぎ、チームもプレーオフ出場が可能な位置にいる。開催地のエースという点は否定できないものの、これらの事実がケンバをオールスターゲームのスターター枠へと引き上げたのだろう。
スターター枠で選出されたケンバは「なんだか奇妙だね」と『TNT』へ切り出すと、「僕はキャリア序盤から、このリーグでエリートクラスのポイントガードになることができるのかと、数多くの疑問を投げかけられていた。そんな僕が過去2年でオールスターの仲間入りを果たし、今年はスターターとしてオールスターゲームに出場することができるんだ。これは僕のことを疑っていた人たちが間違っていたと、最も証明できることだと思う。だから(オールスターのスターター入りは)僕のキャリアの中でも、本当に信じられない瞬間になったよ」と語り、喜びをかみしめていた。
<オールスターモーメント>
チームは2年連続でプレーオフを逃すも、指揮官たちの高評価でリザーブ選出
初出場となった17年は7得点6アシスト、クリスタプス・ポルジンギス(現ダラス・マーベリックス)の代替選出となった18年は11得点を記録したケンバ。近年のオールスターでリザーブに選出される選手は、カンファレンス上位で勝ち越しているチームが多い中、昨季まで2シーズン連続でプレーオフ出場を逃しているホーネッツから選出されていることは、各チームの指揮官がケンバを高く評価している証拠と言っていいだろう。
そして今年は開催地シャーロットに本拠地を置くホーネッツのエースとして、ケンバはホスト役を務めることとなる。自身初のスターターとして出場する今年のオールスターゲームは、この男にとってキャリアのハイライトの1つになりそうだ。
当たり出すと止まらないシュート力と切れ味抜群のクロスオーバードリブルを発揮してもらい、ケンバはスーパースターたちが集結する大舞台でも存在感を示してくれるに違いない。