「百万回やってきた」鮮やかなフェイドアウェイジャンパーで歴代6位に到達
3月19日(現地時間18日)に行われたニューオーリンズ・ペリカンズ戦。ダラス・マーベリックスはルカ・ドンチッチが29得点13リバウンド10アシストのトリプルダブルと大活躍を見せるも、延長の末に125-129で惜敗。
だがこの試合で、マブス一筋21シーズン目の大ベテラン、ダーク・ノビツキーがまた1つ新たな記録を作った。先発出場したノビツキーは12分20秒のプレータイムで8得点を挙げたことで、通算3万1,424得点に到達。これにより、ウィルト・チェンバレン(元フィラデルフィア・ウォリアーズほか/3万1,419得点)を抜いて歴代6位へと浮上した。
ノビツキーは昨年4月に手術した足首のリハビリに時間を要し、開幕から26試合を欠場。昨年12月14日(同13日)にようやく初出場を果たすも、個人成績は軒並み自己ワーストを記録していた。ノビツキーは今季について、『ESPN』へこう振り返っている。
「今シーズンは出場するまで長かった。今季を迎える前の時点で、あと200点くらいということは知っていたんだけどね。彼の記録を超えることはできないだろうと何度も思った。ケガから復帰するまで、ものすごく長く感じたんだ。でもここ数週間で調子が良くなって、いいプレーができている。それにチームがコート上で僕のことを探してくれるし、シュートを放てと言ってくれたんだ」。
第1クォーター残り8分35秒。フリースローライン付近でドンチッチのパスを受け取ったノビツキーは、ピボットを駆使してスペースを作り出し、ケンリッチ・ウィリアムズの頭越しに鮮やかなフェイドアウェイジャンパーを沈めてチェンバレンの記録を突破。「僕はただ時間をかけて、これまで百万回やってきたことをしただけ。彼の頭上からショットしようとトライしたんだ」とノビツキー。
見事チェンバレン超えを果たしたノビツキーは、自身のキャリアについて「僕はゲームが少し変わり始めたときにリーグ入りした。きっと適切なタイミングだったんだ。リーグはもう少しスコアリングを欲しがっていた。1990年代のリーグは、(パワーフォワードとセンターによる)数多くの肉弾戦があり、ハードなファウルも多かった。リーグは変化したかったんだと僕は思ってた。そんな時に僕はリーグ入りしたんだ。今では基本的にどの選手もシュートすることができる。過去20年間におけるリーグの進化は、見ていて楽しいよね」。
ノビツキーが相手ディフェンダーとの間にスペースを作るべく、片足でジャンプして繰り出すフェイドアウェイジャンパーは、ケビン・デュラント(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)をはじめとする多くの選手がレパートリーに取り入れるほど、多大な影響力を与えてきた。
マブスのフランチャイズプレーヤーとして2011年にチーム史上初の優勝へと導いたノビツキーは、リーグを跳び越えてインターナショナルなスーパースターへと昇華。
もし今季限りでノビツキーが現役を引退したとしても、将来のバスケットボール殿堂入りは確実。残り12試合、その一挙手一投足を目に焼き付けていきたい。