自慢のフローターを駆使して得点を稼ぎ出す新人トレイ・ヤング「最高の武器だと思う」

ホークスの先発ポイントガードとして活躍するヤング[写真]=Getty Images

ルーキーながらフローターによる得点で堂々リーグ2位にランクイン

 オクラホマ大学でプレーした昨季、得点(平均27.4得点)とアシスト(平均8.7本)で2冠を達成したトレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)は、NBA入り後も順調に成績を伸ばしている。

 開幕からここまで全72試合に先発ポイントガードとして出場し、平均30.8分18.5得点3.6リバウンド7.8アシストをマーク。得点はジョン・コリンズ(平均19.7得点)に次ぐチーム2位、アシストはチームトップであり、ルーキー全体で見てもトップという好成績。

好不調の波こそあるものの、ヤングの3ポイントは威力抜群[写真]=Getty Images

 ヤングといえばクイックモーションから放たれるシュートレンジの広いアウトサイドシュートのイメージが強いものの、20歳ながらフローターも特筆すべきものを持っている。

 今回は、3月20日(現地時間19日)に現地メディア『HoopsHype』へ掲載されたヤングのフローターについて紹介していきたい。
※データは現地時間3月18日終了時点

 『Synergy Sports』によると、今季ヤングはフローターから186得点を奪っているのだが、ルーキーながらリーグ2位という高水準だという。ヤングの上を行くのは、227得点を挙げているマイク・コンリー(メンフィス・グリズリーズ)のみ。

 その内訳を見ていくと、ピック&ロールを展開している際のボールハンドラーとして121得点、さらにはスポットアップの状態から30得点を記録。これはいずれもリーグ2位にランクインしている。ヤングはフローターについて、同メディアへこう口にしていた。

「僕の持つスキルセットの中で、最も重要なものなんだ。僕をガードしているディフェンダーに対して、彼らのバランスを崩すことができるからね。僕がフローターを放つか、ロブパスを出すか、もしくはレイアップへと持ち込もうとするか、彼らにわからないようにしているんだ」。

オールスター後はドンチッチ以上の好成績でルーキートップへ浮上したヤング

 父レイと共に、ヤングは学校の練習が終わるとフローターの練習に取り組んでいたという。「私は常にホウキを持ってレーンの中央に立っていたんだ。だいたい8フィート(約2.4メートル)くらいの高さだったと思う。そこでトレイがフルスピードからリムへドライブして、バランスを保ってフローターを決めることができるように練習していたんだ」とレイが明かす。

 フローターというスキルを身に付けるべく、ヤングが参考にしていたNBA選手は主に3選手いたようだ。

「僕はスティーブ・ナッシュ(元フェニックス・サンズほか)が大好きだったんだ。ほかではクリス・ポール(ヒューストン・ロケッツ)とトニー・パーカー(シャーロット・ホーネッツ)だね。彼らはフローターが本当に上手で、すばらしいシュートタッチで放っていたんだ。彼らは僕がフローターを身に付けるうえで、参考にしていた数少ない選手だった」。

ナッシュは独特のリズムから絶妙なタイミングでショットを決めていた[写真]=Getty Images

 NBA入りしたヤングとマッチアップしたポールは、2月下旬に「彼は見ていて楽しいと思える選手。すごくスキルが備わっているからね。特にボールハンドリング。左手でもストップ&ゴーを繰り出すことができるんだ」と『The Athletic』へ語っており、高評価している。

 ポールも絶賛するボールハンドリングから繰り出すフローターは、3ポイントやパスと共にヤング自慢の武器と言っていい。「僕はいつだって、ディフェンダーのバランスを崩すべくフローターを使うことができる。これは最高の武器だと思う」とヤング自身もお気に入りのようだ。

 今季の新人王争いの行方はルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)とヤングによる一騎打ちの様相となっている。ドンチッチ優勢なのは否定できないものの、オールスター明けの成績だけで見ていくと、ヤングは平均24.3得点9.0アシストでドンチッチ(平均22.6得点6.9アシスト)を上回るパフォーマンスを見せているため、ダブル受賞の可能性もあるのではないだろうか。

ヤングの右腕から放たれるフローター。ルーキーながらリーグ有数の使い手と言っていいだろう[写真]=Getty Images

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