「MVPになることは選手としての僕のゴールでもある」と胸の内を明かす
3月27日(現地時間26日)に行われたヒューストン・ロケッツ戦。MVP候補筆頭のヤニス・アデトクンボを擁するミルウォーキー・バックスは、エリック・ブレッドソーらの活躍もあり、108-94でロケッツをねじ伏せた。
この試合でアデトクンボは19得点14リバウンド4アシストをマークして勝利に貢献。同じくMVP候補筆頭のジェームズ・ハーデンは23得点10リバウンド7アシスト2ブロック。個人成績のインパクトでは、ハーデンがアデトクンボを上回ったと言っていいだろう。
ロケッツ戦を終えて56勝19敗を記録するバックスは、レギュラーシーズンをリーグトップの戦績で終える可能性が高い。そうなると、やはりMVP最有力候補にアデトクンボが挙がってくるのは当然と言えば当然。
27日(同26日)に現地メディア『The Athletic』へ掲載された記事の中で、アデトクンボは「(MVPについて)僕にとって何の意味もないと言うつもりはないよ。選手として、このリーグのMVPになることは僕のゴールだからね」と語っている。
今季のMVP候補に挙がっているのは、アデトクンボとハーデンのほか、キャリアハイの成績を残すポール・ジョージ(オクラホマシティ・サンダー)、ナゲッツを2013年以来初のプレーオフ進出へと導いたニコラ・ヨキッチといった面々だ。
その中でもアデトクンボは最有力候補と言ってもいいのだが、当の本人はその議論に口を挟むつもりはないという。「コロコロ変わるような(MVP候補争いという)話題に割り込むつもりはないよ。僕はそれについて何も言いたくないんだ」とアデトクンボ。
自身初の1回戦突破、そしてファイナル進出に主眼を置くアデトクンボ
アデトクンボは残り7試合を残した時点で、「僕らは今56勝している。もし正しい方法でプレーすることができれば、63勝でシーズンを終えることができるかもしれない。そこでレギュラーシーズンは終了する。僕がMVPに選ばれるかどうかは注目されるんだろうけど、(僕らにとっては)プレーオフが始まるんだ」と強調。そしてアデトクンボはプレーオフにフォーカスしていることを明かした。
「僕はファーストラウンドを突破したいし、イースタン・カンファレンス・ファイナルまで勝ち進みたい。そしてNBAファイナルに出場したい。それが僕にとって、MVPよりももっと重要なことなんだ」。
昨季まで3度のプレーオフを経験し、昨季はボストン・セルティックス相手に第7戦まで戦ったバックス。アデトクンボはシリーズ平均40.0分25.7得点9.6リバウンド6.3アシスト1.4スティールを残すも、最終戦の末に敗退。
アデトクンボはこれまでのキャリアで一度もファーストラウンドを突破できておらず、バックスも2001年のカンファレンス・ファイナル進出を最後に、ファーストラウンド敗退が続いている。
そのため、今季のバックスがどこまでイーストを勝ち上がることができるのかは興味深い。もしバックスがリーグトップの成績を残してアデトクンボがMVPに選出されたとしても、プレーオフで結果を残さなければベストプレーヤーという称号を手にすることは決してないからだ。アデトクンボがプレーオフでどんなパフォーマンスを見せるのか。楽しみでならない。