「これまでの流れを変えるチャンスを手にした」と自信をのぞかせるハーデン
ウエスタン・カンファレンスのファーストラウンドでユタ・ジャズを5戦で下したヒューストン・ロケッツが、カンファレンス・セミファイナルで3連覇を狙う王者ゴールデンステイト・ウォリアーズと激突する。
4月29日(現地時間28日)にウォリアーズのホーム、オラクル・アリーナで行われるシリーズ初戦を前に、ジェームズ・ハーデンは練習後に複数の現地メディアの前で「俺たちはチームとしてものすごく自信がある」と言い放った。
「俺たちは有り余るほどの能力を持っている。(リベンジする)機会にワクワクしているよ。もちろん、ウォリアーズを倒すためには困難なことも多々あるし、チャレンジしなければならないことも数多くあるだろう。だが俺たちはそういったことについても準備している」。
ウォリアーズにスティーブ・カーHCが就任し、リーグトップの67勝15敗を挙げた2014-15シーズン以降、ロケッツは昨年まで3度プレーオフで激突してきた。だが15年のカンファレンス・ファイナルでは1勝4敗、16年のファーストラウンドではステフィン・カリーを3試合欠きながらもウォリアーズに1勝4敗で敗れていた。
だが昨年のカンファレンス・ファイナルでは、第5戦を終えてロケッツが3勝2敗で王手。あと一歩でウォリアーズを王座から引きずり落とすことができる位置まで追い詰めたものの、クリス・ポールの離脱などもあり、ロケッツはいずれも後半に逆転されて2連敗。
「俺たちはこれまでのところ、成功してきたとは言えない。俺たちにはいくつもそのチャンスがあったが、(ウォリアーズとの対戦で)まだ勝利側には立っていないんだ。これまでの流れを変える、新たなチャンスを手にしたのさ」とハーデンは言う。
今季のレギュラーシーズンで4度対決した両チームの戦績は、ロケッツの3勝1敗。打倒ウォリアーズに並々ならぬ闘志を燃やすロケッツは、4度目の正直で憎きライバルを撃破することに集中している。
ウォリアーズのカーHCは「しっかり準備しなければならない」と警戒
対するウォリアーズは、ロサンゼルス・クリッパーズとの1回戦を4勝2敗で終えたものの、カリーとクレイ・トンプソンが右足首を痛めたことで、シリーズ初戦の出場は“Questionable”(疑わしい)と報じられており、昨夏獲得したビッグマンのデマーカス・カズンズもシリーズに出場できる可能性は皆無と言っていい。カーHCは言う。
「ここ数年、ヒューストンがやってきたことは認めているよ。彼らはロースターを構築し、独自にスタイルを磨き上げて我々と競い合ってきた。確かに、昨年のシリーズはすばらしいものだった。だから私は彼らがやったことをすごくリスペクトしている。彼らは情け容赦のないチームだからね。このシリーズで彼らはまた果敢に向かってくるから、我々もしっかり準備しなければならない」。
昨年のシリーズ、ハムストリングの負傷で最後の2試合をベンチから眺めざるをえなかったポールは、「僕はただ、第1戦でプレーすべく準備するだけ。僕らはシリーズ初戦に向けて入念に準備することにフォーカスしているんだ」とコメントしている。
カンファレンス・セミファイナルとはいえ、両チームの戦力と昨年の実績を考慮すると、ウォリアーズとロケッツによるシリーズは、事実上のカンファレンス・ファイナル、あるいはNBAファイナルに相当する戦いになると言っても過言ではない。
はたして、シリーズに先手を打つのはどちらのチームになるのか。両チームによる意地のぶつかり合いは必見だ。