「自分自身に対して、あきらめたりしなかった」フッドが19得点と貴重な活躍
5月4日(現地時間3日)に行われたデンバー・ナゲッツ(1勝1敗)とポートランド・トレイルブレイザーズ(1勝1敗)によるウエスタン・カンファレンス・セミファイナル第3戦は、NBAのプレーオフ史上2度目となる4度の延長へともつれ込む長丁場となった。
「ヘビー級のバトルのようなものだった。まさに消耗戦だ。皆がメンタル面とフィジカル面で疲れきったと思う。両チームにとって何度も勝利し、敗れたゲームだった。延長戦はどれもローラーコースターのようなものだったね」。
試合後にブレイザーズのテリー・ストッツHCが明かしたとおり、両チームは48分間のレギュレーションに加えて5分間の延長を4度も戦い抜いた。19時46分に始まった試合は、終わった頃には深夜の23時13分にまで時計の針が進んでいた。
68分間というゲームタイムの中で、18度の同点、24度のリードチェンジがあったこの総力戦。第4クォーターで勝負を決着するチャンスがあったのはブレイザーズだった。だがナゲッツは残り28.0秒にニコラ・ヨキッチがウィル・バートンへ好パスをとおして102-102に追いつく。
1度目の延長は、ナゲッツ2点リードの状況から残り8.0秒にCJ・マッカラム(ブレイザーズ)が同点ジャンパーを決めてタイスコアに。2度目の延長では残り1分3秒にギャリー・ハリス(ナゲッツ)がレイアップを放り込んで118-118にすると、スコアが動かずにそのまま終了。3度目の延長は残り32.0秒にポール・ミルサップのジャンパーでナゲッツが4点差をつけるも、デイミアン・リラードの2連続レイアップでブレイザーズが4度目の延長へと持ち込む。
最後の5分間。ナゲッツがリードし、ブレイザーズが追う展開となる中、試合に決着をつけたのはブレイザーズのロドニー・フッドだった。残り1分7秒から2連続ジャンパーを沈めると、残り18.0秒に決勝弾となる3ポイントをヒット。最終スコア140-137でブレイザーズが大激戦に終止符を打った。
今季途中にクリーブランド・キャバリアーズからブレイザーズへトレードで加入したフッドは、「僕は自分自身に対して、あきらめたりはしなかった。プレーし続けて、ハードにトレーニングを続けてきたんだ。でもまさかこんな状況で、ブレイザーズの一員になっているとは思わなかったね。ここ最近は家族の皆の悲しそうな顔をたくさん見てきたから。正直に言うと、ここに来ることができてすごく感情的になってるんだ」と振り返った。
プレーオフ史上4位の出場時間を残したヨキッチ「僕はいいシェイプにある」
ホームのモーダ・センターで見事勝利を飾ったブレイザーズでは、マッカラムがゲームハイの41得点に8リバウンド4アシスト4スティール、リラードが28得点6リバウンド8アシスト2スティール、エネス・カンターが18得点15リバウンド3スティール、モーリス・ハークレスが15得点10リバウンド。
そしてナゲッツのマイケル・マローンHCが「このゲームでものすごく大きなインパクトを放っていた」と評したフッドが、8投中6本(うち3ポイントは3投中2本)のショット成功を含む19得点を記録した。
一方のナゲッツでは、ヨキッチがプレーオフ史上4番目に長いプレータイム(64分58秒)を記録。ヨキッチは「彼ら(ブレイザーズ)は僕がいいシェイプにないと話していたようだね」と振り返ったものの、自身は33得点18リバウンド14アシストのトリプルダブルに2ブロックというすばらしいパフォーマンスを見せた。「僕は本当に良いシェイプにある。彼らが話していることについては分からないけどね。(セルビアからアメリカへ)来た時でさえ、僕はちょっとぽっちゃりしていたんだ。今と大して変わらないよ。これはバスケットボールというゲーム。僕はいい感じでプレーできているよ」とヨキッチは自身に対する批判も意に介さない。
ナゲッツではヨキッチのほか、ジャマール・マレーが34得点に9リバウンド5アシスト、バートンが22得点9リバウンド2スティール3ブロック、ミルサップが17得点13リバウンド3スティール2ブロック、ハリスが13得点3スティール、マリーク・ビーズリーが11得点5リバウンドをマーク。
「我々は戦い抜いた。だがたくさんのセカンドチャンス、多すぎるターンオーバーがあった。これらがゲームで違いをもたらしたんだ」とマローンHCが語ったように、ブレイザーズの13本に対し、ナゲッツは20本のターンオーバーを犯してしまった。それでも、「すばらしいバスケットボールチームによる信じられない試合になったね」と口にしたとおり、歴史的なゲームになった。
中1日で行われる6日(同5日)のシリーズ第4戦。ナゲッツとしては、この試合に負けてしまうとブレイザーズに王手をかけられてしまうだけに、なんとしてでも勝っておきたいところだ。