リバウンド数で62-44、ペイント内の得点で66-44とインサイドを制圧
5月8日(現地時間7日)、2勝2敗で並んだデンバー・ナゲッツとポートランド・トレイルブレイザーズによるウエスタン・カンファレンス・セミファイナル第5戦がナゲッツのホーム、ペプシ・センターで行われた。
ブレイザーズは4度の延長までもつれた第3戦に勝利。第4戦ではナゲッツの反撃の前に敗れてしまい、シリーズ突破に王手をかけるべく迎えたこの試合だったが、ペースをつかんだのはホームのナゲッツ。
前半をナゲッツリードの65-47で終えると、第3クォーターでナゲッツが28-18とさらに突き放し、最終スコア124-98と快勝。3勝2敗としたナゲッツは、2009年以来初となるウエスト決勝進出へ王手をかけた。
この日、最も大きなインパクトを与えたのはナゲッツのベテランパワーフォワード、ポール・ミルサップだろう。24得点に8リバウンド2アシスト2ブロックをたたき出した34歳は、高確率でショットを沈めてナゲッツをけん引。
「これは彼にとって初めてのプレーオフじゃないことは知ってるよね? 彼はこれまでもプレーしてきたんだ。彼は僕らを導いてくれている。このチームが勝利すべく、どんな小さなことであろうと着実に遂行してくれるんだ」とジャマール・マレーが語ったように、ミルサップは若手ぞろいのナゲッツにおいて、攻防両面で貴重な働きを見せている。
ナゲッツではミルサップのほか、ニコラ・ヨキッチが25得点19リバウンド6アシスト、マレーが18得点5リバウンド9アシスト、ギャリー・ハリスが16得点6リバウンド2スティール、マリーク・ビーズリーとウィル・バートンがそれぞれ10得点、トーリー・クレッグが8得点8リバウンドと続いた。
一方のブレイザーズでは、デイミアン・リラードが22得点6リバウンド4アシスト、ロドニー・フッドとザック・コリンズがそれぞれ14得点、CJ・マッカラムが12得点を挙げるも、26点差もつけられる屈辱。
ミルサップとヨキッチを中心としたナゲッツのインサイド陣を前にペイントエリアを荒らされてしまい、リバウンド数で44-62、ペイントエリアにおける得点で44-66と圧倒されてしまった。
ヨキッチとマレーによるスピーディーなピック&ロールから始まり、シューターが交互にショットを放ってくるナゲッツのオフェンスに苦しんだリラードはこう振り返った。
「そこでさらにミルサップもガードしなきゃならないんだ。彼はペイント内にいて、相手選手と正対した状態からでもジャンパーや3ポイントを決めてくる。トランジションの場面でも、彼を見つけてガードしなければ、リング下でモンスターと化してしまうんだ」。
ペイントエリアを支配されてしまったブレイザーズは、ファストブレイクによる得点でも2-12とナゲッツに差を付けられている。
ブレイザーズとしては、ホームのモーダ・センターで10日(同9日)に行われる第6戦がマスト・ウィン・ゲームとなる。サンアントニオ・スパーズとのファーストラウンドで、ナゲッツは3勝2敗と王手をかけて迎えた第6戦に敵地で敗れていることから、ブレイザーズが最終戦まで持ち込む可能性は残されていると言っていいだろう。