デュラントがファイナル第4戦も欠場へ…ウォリアーズは3連覇に向けて結束を図る

練習やトレーニングを再開したデュラント。彼はまだ復帰に向けて諦めてはいない[写真]=Getty Images

デュラントのコンディションについて、カーHCが言及

 6月7日(現地時間6日)、現地メディア『ESPN』より、ゴールデンステイト・ウォリアーズのケビン・デュラントがファイナル第4戦を欠場することが報じられた。右ふくらはぎの回復経過が思わしくなく、まだ復帰までに時間を要するためだと言われている。

 デュラントはヒューストン・ロケッツとのカンファレンス・セミファイナル第5戦で負傷して以降、コートに立てていない。スティーブ・カーヘッドコーチは、デュラントはまだ試合に戻るための準備ができていないと口にし、以下のコメントを残した。

「彼は今コートで個人練習をこなしている。トレーニングルーム、ウェイトルームで過ごし続けているんだ。トレーニングスタッフは、まだ彼は試合に出場するだけの準備ができていないと私に伝えてくれた。そういうことさ」

デュラントの回復の具合について冷静にコメントしたカーHC[写真]=Getty Images

 カーHCと球団側としては、デュラントは復帰に向けてしっかりとプロセスを踏めているとポジティブに捉えていたそうだ。しかし、指揮官は同日のインタビューにて、「今日はデュラントは3対3の実戦形式に参加しない。自ずと何かが起きると私は考えている。だかそれは今日ではないということだ」と答えた。

 ファイナル第4戦が目の前に迫っている中、デュラントの復帰が未だ明確なものとならず、チーム内では一見暗雲が立ち込み始めているように見える。だがカーHCは、「終わりだなんて思っていない。今日こそがデュラントがコートに立てる日になると願っていたが、それは今日ではない。それはおそらく明日かもしれないし、引き続き回復の経過を見ていく」と、前向きな見解を示した。

 そして「希望があるのだとすれば、それはこのシリーズの終わりに彼が戻れるということ。だが彼も諦めてはいない」と締めくくり、ファイナル制覇に向けて、そして3連覇達成に向けてまだ何も悲観することはないという強い意志を見せてくれた。

離脱中のデュラントに対し、チームメートたちが胸中を語る

 カーHCが力強く諦めない気持ちを示し、デュラント本人も復帰に向けて尽力する中、ウォリアーズのチームメートたちは彼が復帰することを信じている。

 だが、彼がコートへ戻ってくれることに期待をかけるのではなく、シリーズ中に復帰できなかったことも踏まえながら、自分たちができる最善を模索している。各選手たちは、デュラントと残りのファイナルのゲームに関してコメントを残した。

 ウォリアーズのベテランガード、ショーン・リビングストンは、デュラントがファイナルに復帰できないことを想定すべきだとし、第4戦以降に向けて意気込みを見せた。

「デュラントが準備を整えて、戻ってきてくれることはもちろん歓迎する。だがそれは彼が準備ができたときに限る。だからその時がやってきてくれるまで、我々は彼がプレーできないつもりで戦い抜かなければならない」

デュラント(左)を高く評価するグリーン(右)。信頼関係が良好であることが伺える[写真]=Getty Images

 今後厳しくなるであろうシリーズに対して、そうリビングストンが決意を表明したのに続き、ドレイモンド・グリーンもデュラントのチーム内での絶対的な存在感についてコメントした。

「ケビンは競争者だ。そして僕も競争者としてコートに立った時に、相手に致命傷を与えようとそうでなかろうと、彼がケガから復帰しようとそうでなかろうと、自分の持っているものすべてを捧げるつもりだ。彼が100パーセントの状態ならば誰よりもベターだし、もしそれが75パーセントであっても、きっと彼ならそれでも他の選手たちよりも上だろう。だから彼が戻ってこれるかどうか、見守っていけたらと思う」

全力を尽くすことを誓うカリー、復帰が待ち遠しいと語るトンプソン

 ここまでチームメートたちがデュラントに対してコメントを残したように、ステフィン・カリーも彼が確実にこのファイナルで戻ってきてくれるかは定かではないとしている。だが決して動揺を見せずに、優勝に向けてコメントをした。

「デュラントはチームをより良くしてくれる世界的なアスリートだ。タフな敗北であろうと、僕たちはまだ素晴らしい機会を自分たちの目の前に保持している。そしてすべてを終わらせるために、全力を尽くすまでだよ」

デュラント(左)の復帰が定かではない中、カリー(右)のパフォーマンスにも注目される[写真]=Getty Images

 そして、ファイナル第2戦に左ハムストリングを負傷し、第3戦を欠場したクレイ・トンプソンだが、第4戦は復帰が見込まれているという。彼は第3戦をコーチングスタッフの決断により、大事をとって試合には出場せずにいた。だがベンチから観戦していたことは、とてもフラストレーションの溜まる出来事だったと語った。

 彼は現在、自分たちが置かれている局面について、「世界の終わりではない」と表現した。そして、「体の状態は非常に良好だ。一晩を回復に費やせたのが効果的だったんだ。明日の試合が待ちきれないよ」と、第4戦に向けて準備ができていることを述べた。

 2015年よりNBAファイナルに進出し続けて、その中で3度の優勝を手にしてきた王者ウォリアーズ。この王朝が果たしてどこまで続くのかはまだわからない。だが、ウォリアーズの3連覇達成か否かが、現在多くのNBAファンやリーグ全体から注目されていることは事実であり、故にその道のりは非常に厳しいものとなっている。

 ここまで数々の修羅場を潜り抜けてきた王者が、果たして最後はどのようなエンディングを迎えるのか。歴史的な瞬間となりうるその時を目に焼き付けたい。

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