2022.10.30
6月21日(現地時間20日)にバークレイズ・センター(ニューヨーク州ブルックリン)で行われる「NBAドラフト2019」は、アメリカに限らず、世界中から注目を浴びている。カレッジ界のスーパースターや外国籍のスター選手たちがNBA入りの扉をたたくことになるからである。
そして今年は、ここ日本でも例年以上に大きな注目を集めている。ゴンザガ大学3年終了後にアーリーエントリーした八村塁が、日本人史上初となるドラフト1巡目指名されることが確実視されているからだ。
八村は今季、シーズン全体で平均19.7得点6.5リバウンド1.5アシストに加えて、フィールドゴール成功率59.1パーセントをマーク。ゴンザガ大のエースとしてNCAAトーナメントではエリート8(準々決勝)に進出。
NCAAにおける年間最優秀スモールフォワード(SF)に与えられる「ジュリアス・アービング賞」を獲得しただけでなく、NABC(アメリカバスケットボールコーチ協会)が選出したNCAA ディビジョン1のオールアメリカン・ファーストチームに選出。さらに現地メディア『Sporting News』、USBWA(アメリカバスケットボールライター協会)でもファーストチーム入りを果たした。
年間最優秀選手を決める「ネイスミス賞」の最終候補4人にも残っており、今季の八村はカレッジ界の中でも強烈なインパクトを残したシーズンだったと言っていいだろう。
八村については上位指名という声もあるが、現状では1巡目中位の指名が濃厚というのが大方の予想となっている。
八村について、1巡目11位指名権を持つミネソタ・ティンバーウルブズが獲得に興味を示しているという報道がある中、1巡目13位指名権を持つマイアミ・ヒートも好奇心をかき立てているという。
ここでは、4日(同3日)にヒートの地元メディア『The South Florida Sun Sentinel』へ掲載された記事の中で、ゴンザガ大の先輩であるケリー・オリニク(ヒート)が八村についてコメントしていたので紹介したい。
キャリア6シーズン目、ヒート在籍2シーズン目を終えたオリニクは、213センチ108キロのビッグマンで、3ポイントもこなすシュートレンジの広さに定評がある。
12-13シーズンまで3年間ゴンザガ大でプレーしてきたオリニクは、八村について「彼の持つ高い運動能力が(今後の彼を)引き上げることになるだろう。フィジカル面における能力が向上に役立つと思うよ」と切り出すと、こう続けた。
「今の段階で、彼が放つショットの多くはミドルレンジのものだから、今のNBAで主流とは言えないね。でも彼はリムへ向かっていくことができるし、ポストアップも可能だ。それにクイックだし、高い身体能力がある。彼は今後スキルを身に付けて、(NBAで活躍できる)レパートリーを構築していくだろう。僕は彼のような体格で、アスレティック能力がある選手とは一緒にプレーしてみたいと思ってるよ」。
現時点における八村は、リング下やミドルレンジ、トランジションにおける得点が多くを占めている。今季の3ポイント成功率は41.7パーセントながら、平均試投数は1.0本のため、アウトサイドシュートは今後特に磨いていく必要がある。
それでも、キャリア6年をプレーしてきた中で数多くの選手たちとマッチアップしてきたオリニクが「プレーしてみたいと思ってる」と語ったことは、ドラフトを控えるNBAチームにとっても、八村が魅力的なタレントであることを物語っているのではないだろうか。
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