全体1位指名を経て、長年の夢が叶ったザイオン
高校時代から全米の注目を集めていたザイオン・ウィリアムソン(デューク大学)。ニューオーリンズ・ペリカンズからの全体1位指名を経て、いよいよNBAデビューを果たすことになる。
6月22日(現地時間21日)、満面の笑みを浮かべながら記者会見に登場。まずはデューク大を5度のNCAAトーナメント優勝に導き、またアメリカ代表の指揮官として、コービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)、レブロン・ジェームズ(現レイカーズ)、ケビン・デュラント(現ゴールデンステイト・ウォリアーズ)など歴代の豪華タレント陣を率いて、オリンピック3大会連続で金メダルを手にしたマイク・シャシェフスキーヘッドコーチ(HC)との関係に触れ、「“コーチK”(シャシェフスキーHCの愛称)とともに戦えたのは今までにない経験だった。なぜならこれまで素晴らしい選手たちを彼は指導してきたわけだからね」とコメントした。
そして特に印象に残っていることとして、「彼はこう言うんだ、『誰が君たちのことを素晴らしいと評価しているのかはわからないが、君たちはそうではない。私はコービーやマイケル(ジョーダン)、レブロンといった選手たちを目にしてきた。まだ君たちはその領域には達していないんだ』とね。だから彼はいつも僕たちの本来あるべき姿を忘れないようにさせてくれて、ありのままの自分でいていいと伝えてくれた。そしてゲームにはできるだけシンプルに挑めるようにしてくれたんだ」と振り返った。
ザイオンが名将から指導を受けたことは、これからのNBAキャリアにおいて大きな財産となることだろう。また自分を指導してくれた恩師だけでなく、ドラフト指名のこと、そして支えてくれた家族や友人に関しても語った。
「まだ多くのことが頭から離れない感じだ。小さい頃からずっと夢だったんだよ、コミッショナーから自分の名前を呼ばれることは。そして実際にその時が訪れた時、それは僕にとってもっと多くのことを意味した。僕をサポートしてきてくれた家族や友人たちがそこにいてくれたことも、より特別な瞬間にしてくれたと思う」
後に偉大な人物となっていく選手が、優れたコーチの下でプレーして、自分をサポートしてくれる多くの人たちへの感謝の気持ちを忘れないように、また1つ重要なファクターが存在する。それが過去の偉人を追随し、学び続ける姿勢を持ち続けることだ。ザイオンは、「マイケル・ジョーダンをずっと尊敬してきた。彼はオフェンスだけでなく、ディフェンスにおいてもすさまじいプレーを見せていたから。彼は徹底的にディフェンスで対戦相手を叩きのめす選手だったんだ」と口にし、偉大なるバスケットボールの神様を追い続けてきたむねを語った。
そして今後の成長のために、「僕は多くの人たちから多くを学び、自分の試合のモデルしたい。そしてもしある人物から学べることがあれば、それを手にして自分に加えていきたいと思う」と強い意志を表明することで、来たるNBAキャリアに向けて闘志がみなぎっている様子をうかがわせた。
プロキャリアをスタートする前に数々のハイライトプレーをすでに残し、10年に1人の逸材とも言われているザイオン。彼が今後一体どのようなプレーヤーになっていくのか、多くの注目を集めることだろう。