着々と戦力増強を続けるジャズ、ベテランのグリーンと若手PGムディエイを獲得へ

昨季は共に平均2ケタ得点を挙げたグリーン(左)とムディエイ(右)[写真]=Getty Images

コンリー、ボグダノビッチ、デイビスを加えて先発陣のグレードアップに成功

 3年連続でプレーオフに出場するも、2年連続でヒューストン・ロケッツの前に敗れたユタ・ジャズが、積極果敢な補強で戦力増強を行っている。

 6月20日(現地時間19日)にジェイ・クラウダー、カイル・コーバー、グレイソン・アレンに加えて、今年のドラフト指名権(1巡目23位)と将来のドラフト1巡目指名権をメンフィス・グリズリーズへ放出し、キャリア12年を誇るベテラン司令塔のマイク・コンリーの獲得に成功した。

 7月1日(現地時間6月30日)に幕を開けたフリーエージェント(FA)戦線では、スモールフォワードのボーヤン・ボグダノビッチとビッグマンのエド・デイビスとの契約に合意。

 前者は昨季平均18.0得点、3ポイント成功率42.5パーセントを残した実力派。後者は208センチ102キロの体格を誇り、献身的な働きを見せる好選手。昨季はキャリアハイとなる平均8.6リバウンドをもぎ取った。

 現時点における今季のスターターは、バックコートにコンリーとエースのドノバン・ミッチェル、フロントコートにボグダノビッチとデイビス、オフェンス力も向上している守護神のルディ・ゴベアという布陣。昨季から確実にグレードアップしたと言っていいだろう。

両フォワードをこなすベテランのグリーン、十分なサイズを誇るPGムディエイ

 ベンチではガードにダンテ・エクサム、フォワードにジョー・イングルズロイス・オニール、ジョージ・ニアーン、センターにトニー・ブラッドリーを擁しているのだが、さらに2選手との契約合意に達した。

 まずは両フォワードをこなすことができるベテランのジェフ・グリーン。昨季はワシントン・ウィザーズで77試合(うち先発は44試合)に出場し、平均27.2分12.3得点4.0リバウンド1.8アシストをマーク。グリーンには206センチ106キロのサイズがあり、複数のポジションをガードすることができ、ショットを決め切ることもできる。

 32歳のグリーンはキャリア11年で60試合のプレーオフ出場経験を持ち、一昨季はクリーブランド・キャバリアーズの一員としてNBAファイナルでプレー。

複数のポジションをガードできるグリーン(右)は、ベンチ陣の選手層を厚くする[写真]=Getty Images

 もう1名は23歳のポイントガード(PG)、エマニュエル・ムディエイ。196センチ90キロの体格に身体能力を兼備したムディエイは、キャリア4シーズン目となった昨季、ニューヨーク・ニックスでプレー。59試合(うち先発は42試合)に出場し、平均27.2分14.8得点3.3リバウンド3.9アシストを記録した。ベンチにはエクサムがいるものの、共に196センチを超える長身のため、バックコートで同時起用も考えられる。

 ムディエイの代理人を務めるBJ・アームストロング(元シカゴ・ブルズほか)は現役時代、PGとして活躍し、1991年から93年にかけて、ブルズで3連覇を成し遂げた実績を持つ。ジャズのクイン・スナイダーHC(ヘッドコーチ)の下でムディエイを育成させることができるシステムがあること、そしてコンリーと共にプレーできるチャンスを売り込まれたと『ESPN』が報じている。

 なお、複数の現地メディアによると、グリーンは1年250万ドル(約2億6,750万円)、ムディエイは1年契約(金額は不明)で契約合意に達したという。

 1年契約ながら、両選手の加入により、ジャズの戦力はウエスタン・カンファレンス上位へ押し上げたと言っていいはずだ。

成長過程にある①ムディエイ。ジャズのシステム下で飛躍することができるか?[写真]=Getty Images

モバイルバージョンを終了