「ホームへ帰りたがっている男に対して、責めることなんてできないよ」と言及
現地時間7月6日、昨季トロント・ラプターズの絶対的エースとして創設24年目にして初のNBAチャンピオンへと導いたカワイ・レナードが、ロサンゼルス・クリッパーズへ移籍することを表明した。
今夏プレーヤーオプションを破棄して制限なしフリーエージェント(FA)となったレナードは、昨季ラプターズで圧巻のパフォーマンスを披露。レギュラーシーズンだけでなくプレーオフでも、攻防両面に渡って文句なしの働きで優勝に大きく貢献。
就任1年目となったニック・ナースHC(ヘッドコーチ)の下、ラプターズはレナードを軸に、パスカル・シアカムやカイル・ラウリー、マルク・ガソル、サージ・イバカ、ダニー・グリーン(現ロサンゼルス・レイカーズ)、フレッド・バンブリートらと共に3連覇を狙っていたゴールデンステイト・ウォリアーズとのNBAファイナルを4勝2敗で制した。
当初、レナードはラプターズに残留し、ディフェンディング・チャンピオンとして今季を迎えることが予想されていたものの、レイカーズ、クリッパーズ、ラプターズの中からクリッパーズ入りを選択。
カリフォルニア州リバーサイドで生まれ、同じカリフォルニア州のキング高校、サンディエゴ・ステイト大学でプレーしたレナードにとって、クリッパーズ入りはホームへの帰還を意味するものでもあった。
『ESPN』のニック・フリーデル記者によると、7日(現地時間6日)にレナードはナースHCへ「僕はホームへ帰ることにします」とテキストを送ったという。すると同記者は、ナースHCがこのような言葉を口にしていたと明かしている。
「ホームへ帰りたがっている男に対して、責めることなんてできないよ。だから私は彼に対して、『君が成し遂げたことは、トロントにいる多くの人たち、特に私自身の人生を変えてくれた』と言ったんだ。彼がやってくれたことに対して感謝していると伝えたよ」。
レナード、グリーンという昨季スターターを務めた2選手をFAで流出したラプターズは、同日にスタンリー・ジョンソン(フォワード)と2年750万ドル(約8億1,000万円)で契約合意。
今季のラプターズはシアカム、ラウリー、ガソルを軸に、ウイングにはジョンソンやOG・アヌノビー、ノーマン・パウエルを起用して戦っていくこととなる。優勝候補に入ることは厳しいだろうが、プレーオフへ出場してファーストラウンドを勝ち上がることはできるかもしれない戦力を有していると言えるだろう。
ラプターズにとって、レナードを失ったことは痛恨ではあるものの、昨季優勝したことはNBAの歴史のみならず、トロントでも永遠に記録と記憶に残り続けるに違いない。