「複数年に渡ってベストプレーヤーになりたい」と昨季のMVP、アデトクンボが宣言

オフシーズンに入り、数多くのイベントに登場しているアデトクンボ[写真]=Getty Images

「自分の才能のうち、60パーセントしか発揮できていない」と衝撃発言

 キャリア6シーズン目の昨季、ミルウォーキー・バックスの大黒柱ヤニス・アデトクンボはいずれもキャリアハイとなる平均27.7得点12.5リバウンド5.9アシストにフィールドゴール成功率57.8パーセントをマーク。

 平均スティールは1.3本、平均ブロックでは1.5本と、まさにコート上を縦横無尽に駆け回ったアデトクンボは、バックスをリーグトップの60勝22敗へと押し上げる立て役者となり、レギュラーシーズンMVPに輝いた。

 とはいえ、211センチ109キロのアデトクンボはまだ24歳と若い。ギリシャが誇る規格外の万能戦士は、今後も新たな武器を習得し、進化を続けていくことが期待されている。

 7月15日(現地時間14日)、バックスのホーム、ファイサーブ・フォーラムに約2万人が詰めかける中、アデトクンボのMVP受賞を祝福するイベントが行われた。

 その前日となる14日(同13日)に『ESPN』へ語ったインタビューで、アデトクンボはこんな恐ろしい言葉を残していた。

「僕は選手として、向上させることができる数多くの部分があるんだ。(バスケットボール選手として)僕の頭の中では、自分の才能のうち、60パーセントしか発揮できていないと感じている。だからこそ、もっともっと向上させたいんだと思う。自分のゲームにジャンプショットを加えることができることは間違いないね」。

 大観衆を前に、アデトクンボは「明日以降、来年に再びMVPを勝ち取るまでは僕のことをMVPと呼ばないでほしい」と宣言し、会場のボルテージは最高潮に。

 するとファンはアデトクンボが向上する余地があることとして「フリースロー」「3ポイント」といった具体的なプレーを挙げると、「俺たちはあんたのことが大好きだ」と熱いメッセージを送り、アデトクンボは笑顔で受け止めていた。

3ポイントの向上に加え、プレーオフで成功率63.7%に落ち込んだフリースローも改善すべき項目だ[写真]=Getty Images

「僕はどこでどんなことがあろうと100%の力を発揮する人間なんだ」と明かす

 イベント終了後、アデトクンボは現在交際している女性とのエピソードを交えながら、選手としての野望を明かしている。

「彼女が『あなたは本当にいい選手だし、ベストプレーヤーの1人よ』と言った時、僕はつい頭に来ちゃってね。それで僕は、自分がリラックスすることなんてないという意味で、『違う、僕はそうじゃないんだ』と切り返した。もし僕が怠けたヤツなら、100パーセント怠けてるだろう。でも僕は、どこでどんなことがあろうと100パーセントの力を発揮する人間なんだ。だから僕はほんの少しであろうとリラックスなんてしたくない。まだ何も成し遂げていないからね。僕はこのリーグで、複数年に渡ってベストプレーヤーになりたいんだ」。

 今夏のフリーエージェント(FA)戦線で、バックスはクリス・ミドルトンブルック・ロペスジョージ・ヒルと再契約を結び、ロビン・ロペスウェスリー・マシューズ、兄のタナシス・アデトクンボといった新戦力を獲得したものの、マルコム・ブログドン(現インディアナ・ペイサーズ)とニコラ・ミロティッチ(ヨーロッパ)を失うことに。

「僕たち全員が、ステップアップしてそれぞれの役割をこなしていく必要がある」と、アデトクンボは現状の想いを口にしていた。はたして、開幕まで約3か月ある中、アデトクンボはどのような成長を遂げるのか。リーグを代表するスーパースターとなったアデトクンボの今後に、引き続き注目していきたい。

バックスは今季もアデトクンボ(右)とミドルトン(左)を軸に戦っていくこととなる[写真]=Getty Images

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