NBA復帰に向けて「自分自身とキャリア、人生を見つめなおしている」と言及
昨年11月上旬にヒューストン・ロケッツと決別して以降、カーメロ・アンソニー(現未所属)はNBAのコートに立っていない。
今年1月下旬にシカゴ・ブルズへトレードされると、2月2日(現地時間1日)に解雇。その後もNBAチームと契約することはなく、フリーエージェント(FA)となっている。
そんな中、カーメロが8月3日(同2日)に現地メディア『ESPN』の番組“First Take”へ出演。「今まで、ゲームからすると僕には戻ってほしくないかのように感じていた」と苦しい胸の内を明かした。
キャリア16シーズン目を終えたカーメロは35歳。これまで毎シーズンで平均2ケタ得点を記録してきたベテランスコアラーのキャリアは確実に終わりへと近づいている。
もっとも、「僕は毎日ジムにいる」とカーメロが語ったように、NBAの舞台へ戻るべく、ワークアウトを続けているという。
「沈黙しているからといって、僕が(NBA復帰に対して)降参したわけじゃない。自分自身とキャリア、そして人生を見つめなおしているんだ」とカーメロは言う。
先日、カーメロのトレーナーを務めるクリス・ブリックリーが『The Breakfast Club』へ出演し、「昨季のドウェイン・ウェイド(元マイアミ・ヒートほか)のような“フェアウェルツアー”を望んでいる」と語っていたのだが、カーメロ自身は「フェアウェルツアーについて話したことは何もない」とこの報道を否定していた。
これまでのNBAキャリアにおいて、カーメロはオールスターに10度、オールNBAチームには6度も選出されてきた。得点王にも1度輝いており、キャリア平均24.0得点、通算2万5,551得点はいずれもNBA歴代19位という見事な実績を誇る。
さらに、シラキュース大学1年次にエースとしてNCAAトーナメントを制し、MOP(最優秀選手)を獲得。オリンピックには4度出場しており、アメリカの男子バスケットボール史上最多となる3つの金メダルを手にしてきたレジェンド。
もしこのまま去就が決まらず、現役を引退することになったとしても、近い将来にバスケットボール殿堂入りする可能性は十分あるのだが、カーメロの心の中に引退という2文字はない。「僕はまだプレーできると分かってる」と口にしたように、NBAのコートでプレーする機会を狙っていることを明かした。
現在のリーグにおいて、カーメロがNBAチームのエース、あるいはチーム2、3番手のスコアラーといった肩書きのままプレーできるチャンスは皆無に等しい状況にある。それでも、主力を休ませている時間帯にベンチから得点力を持ち込むことは十分可能。カーメロの今後の動向に注目していきたい。